生前の備え

認知症になる前に備える口座凍結対策|代理人カードと家族信託の使い方

2026年9月23日監修:ReliefNote 創業者 北林 歩読了 約8分
結論

親が認知症になり意思確認ができないと判断されると、口座の取引が制限されることがあります。死亡時の凍結と異なり本人は存命なので、代理人カード・家族信託・任意後見契約を元気なうちに準備しておくことが、家族が困らないための備えになります。

この記事の内容
  1. 認知症による口座凍結とは何か(死亡凍結との違い)
  2. 金融機関の代理人カード・代理人指名手続き
  3. 家族信託で生前に財産管理権限を移す
  4. 任意後見契約と任意後見監督人選任の流れ・費用感
  5. 相談すべき窓口とタイミングの目安
  6. よくある質問

「まだ元気だから大丈夫」と思っているうちに、備えのタイミングは静かに過ぎていきます。認知症による口座凍結は、死亡による凍結とは違い、本人が生きているにも関わらず家族が財産に手を出せなくなる状態が長く続くことがあります。この記事では、凍結の仕組みと、生前にできる代表的な3つの対策を整理します。

1. 認知症による口座凍結とは何か(死亡凍結との違い)

銀行など金融機関は、口座の取引を「本人の意思」に基づいて行うことを前提としています。認知症が進み、窓口や電話で本人が取引の内容を理解して答えられないと金融機関が判断した場合、その口座の入出金や解約などの取引が制限されることがあります。

死亡による口座凍結は、相続人が確定し必要書類がそろえば解除に向けて進められます。一方、認知症による凍結は本人が存命のため、家庭裁判所や公的な手続きを通じて財産管理者を決めない限り、状態が長期化しやすいという違いがあります。

「本人が認知症になってから」代理人カードや家族信託の手続きをしようとしても、意思確認ができないと判断されれば契約自体が結べません。備えは判断力がしっかりしているうちに行う必要があります。

2. 金融機関の代理人カード・代理人指名手続き

多くの金融機関では、本人が窓口に来られなくなったときのために、あらかじめ家族を「代理人」として登録しておく仕組みを用意しています。呼び方は「代理人カード」「代理人指名手続き」など金融機関によって異なります。

代理人カードは、比較的手軽に始められる備えです。まずは親が普段使っている銀行・信用金庫・ゆうちょ銀行などに、代理人カードや同様の制度があるかを確認してみましょう。

3. 家族信託で生前に財産管理権限を移す

代理人カードよりも広い範囲で財産を管理したい場合に検討されるのが「家族信託」です。家族信託は、本人(委託者)が持つ財産の管理・処分の権限を、契約に基づいて家族(受託者)に託す仕組みです。

4. 任意後見契約と任意後見監督人選任の流れ・費用感

財産管理だけでなく、医療や介護に関する契約など生活全般の意思決定まで含めて支えたい場合には、「任意後見契約」が選択肢になります。

代理人カード・家族信託・任意後見契約は、どれか一つを選ぶものではなく、財産の内容や家族の状況に応じて組み合わせて使われることもあります。判断に迷う場合は、複数の制度を比較しながら専門家に相談するのが確実です。

5. 相談すべき窓口とタイミングの目安

「まだ早い」と感じるタイミングこそ、実は相談に適した時期です。判断力が低下してからでは選べる対策が限られてしまいます。

財産管理の話は、本人にとってはプライドや不安に触れやすい話題でもあります。親と“もしも”の話をどう切り出すかについてまとめた記事も参考に、無理のないタイミングで対話を始めてみてください。

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ReliefNote は、口座・保険・契約などの情報を家族であらかじめ共有しておける、家族情報マネージャです。財産管理の対策を進める前提となる「情報の整理」から、無料で始められます。

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6. よくある質問

親が認知症になったら、銀行口座はすぐに凍結されますか?

診断名がついた瞬間に凍結されるわけではありませんが、窓口や電話で本人の意思確認ができないと金融機関が判断した時点で、その口座の取引が制限されることがあります。凍結の基準やタイミングは金融機関によって異なります。

死亡による口座凍結と、認知症による凍結は同じですか?

どちらも本人の意思確認ができないことが理由という点は共通していますが、死亡の場合は相続手続きを進めれば解除できるのに対し、認知症の場合は本人が存命のため、成年後見制度などで財産管理者を決めない限り凍結が続く点が異なります。

代理人カードを作れば、口座凍結は防げますか?

代理人カードや代理人指名手続きは、本人の判断力があるうちに設定しておくことで、日常の入出金を家族が代行しやすくする仕組みです。ただし利用範囲や限度額は金融機関ごとに異なり、大きな資産の移動や口座の解約までは対応できない場合があります。

家族信託と任意後見契約は、どちらを選べばいいですか?

どちらか一方を選ぶものではなく、財産の内容や家族構成によって組み合わせて使われることもあります。不動産や事業用資産の管理を柔軟に任せたい場合は家族信託、生活全般の意思決定を含めて支えたい場合は任意後見契約が検討されることが多いです。実際の選択は司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。

リリーフノート
北林 歩 ReliefNote 創業者。家族の重要情報マネージャ「ReliefNote」を開発。