生前の備え

おひとりさまの終活、何から始める?

2026年7月18日監修:ReliefNote 創業者 北林 歩読了 約8分
結論

おひとりさまの終活の基本は4つ。①情報をまとめる・②緊急連絡先と見守りを整える・③死後事務を頼む人を決める・④医療・介護の希望を書き残す。全部一度にやる必要はなく、できるところから少しずつで大丈夫です。

この記事の内容
  1. おひとりさまの終活が大切な理由
  2. まず「情報の整理」から始める
  3. 緊急連絡先と見守りの体制を整える
  4. 死後事務・遺言を検討する
  5. 医療・介護の希望を残す
  6. 少しずつ進めるための順番
  7. よくある質問

「終活」という言葉を聞いて、何となく後回しにしていませんか。特におひとりさまの場合、「誰かがやってくれる」という安心感が薄い分、自分で備えを整えておくことが、将来の自分を助けることに直結します。

とはいえ、終活は一日で終わらせるものではありません。難しく構えず、今の自分にできることから始めるのが、長く続けるコツです。

1. おひとりさまの終活が大切な理由

家族や配偶者と同居している場合、緊急時にすぐ気づいてもらえたり、手続きを誰かに分担してもらえる可能性がありますが、おひとりさまではそれが期待しにくい場面があります。具体的には次のような場面でリスクが生じます。

こうしたリスクは、「誰が・何を知っていて・何を頼まれているか」を事前に整えることで、大きく軽減できます。

2. まず「情報の整理」から始める

終活の入口として最も効果が高く、取りかかりやすいのが情報の整理です。自分に万が一のことがあったとき、周囲の人が「何があるか」を把握できないと、手続きが止まったり、受け取れるお金を逃したりすることにつながります。

まとめておきたい情報の例

情報は「誰かが見つけられる場所」に保管することが大切です。厳重に隠しすぎると、いざというときに誰も見つけられません。信頼できる人に場所だけ伝えておく方法も有効です。

デジタル遺品の整理については、デジタル遺品の整理と引き継ぎ方の記事もあわせてご覧ください。

3. 緊急連絡先と見守りの体制を整える

おひとりさまにとって、「いざというときに誰かが気づいてくれる仕組み」は、終活の中でも特に優先度の高い備えです。

緊急連絡先を決める

日常的な見守りを確保する

入院時の身元保証人を求められた場合、成年後見制度の活用や、任意後見契約(後述)が選択肢になることがあります。早めに検討しておくと安心です。

4. 死後事務・遺言を検討する

おひとりさまの終活で、多くの方が「どうすればいいか分からない」と感じるのがこの部分です。難しく見えますが、「誰に何を頼むか」を決めることが出発点です。

死後事務委任契約とは

自分が亡くなった後の手続き(葬儀の手配・行政への届出・各種解約・遺品整理など)を、生前に信頼できる人や専門家(弁護士・司法書士・NPOなど)に依頼しておく契約です。

遺言書の検討

おひとりさまでも、財産を特定の人や団体(寄付など)に渡したい場合、または法定相続人はいても疎遠な場合には、遺言書が意思を確実に伝える手段になります。

任意後見契約

認知症などで判断力が低下した場合に、あらかじめ決めた人(任意後見人)に財産管理や各種手続きを代理してもらう契約です。公正証書で作成し、判断力があるうちに締結しておく必要があります。

死後事務委任・遺言・任意後見は、いずれも専門家への相談が安心です。地域によって利用できる支援や窓口が異なりますので、まずはお住まいの自治体や弁護士・司法書士会などへお問い合わせください。

遺言書の基本については、遺言書の効力と作り方の記事もあわせてご覧ください。

5. 医療・介護の希望を残す

意識がない状態や、意思を表明できない状態になったとき、「どんな医療・介護を受けたいか」があらかじめ伝わっていると、医療者や支援者が本人の意思を尊重した判断をしやすくなります。

書き残しておきたい内容の例

医療・介護の希望は、一度書いたら終わりではありません。年齢・体調・気持ちの変化に合わせて、定期的に見直すことが大切です。

6. 少しずつ進めるための順番

「何もかも一度にやらなければ」と思うと、そのまま止まってしまいがちです。おひとりさまの終活は、次の順番を目安に、できるものから始めてみてください。

ステップ内容目安の所要時間
① まず情報を書き出す口座・保険・契約・連絡先などをひとつのノートやアプリに集める数時間〜数日(分割してOK)
② 緊急連絡先を決める信頼できる人に「緊急のときに連絡してほしい」と伝え、承諾を得る1〜2時間
③ 医療・介護の希望を書くかかりつけ医・服薬・延命への希望などを記録する1〜2時間
④ 死後事務・遺言を検討する専門家に相談しながら、必要な契約・書類を整える数週間〜数か月(専門家と相談しながら)
⑤ 定期的に見直す半年〜1年ごとに情報・希望を更新する30分〜1時間

①〜③は専門家不要で自分だけで始められます。④は専門家のサポートが必要ですが、①〜③を終えた後に動き出しても遅くありません。まずは「書き出すこと」から始めましょう。

「どこに何があるか」を、ひとつの場所にまとめる

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よくある質問

おひとりさまの終活は何をすればいい?

①口座・保険・契約などの情報をまとめる、②いざというときの緊急連絡先と見守り体制を整える、③死後の手続きを頼む人(死後事務委任)を決める、④医療・介護の希望を書き残す——この4つが基本の柱です。全部いっぺんにやろうとせず、できるものから少しずつ進めるのがコツです。

身寄りがいないと、死後の手続きはどうなる?

身寄りがいない場合、死後の手続きを担う人がいないと、自治体や成年後見制度が関与することになります。生前に信頼できる人や専門家(弁護士・司法書士など)と死後事務委任契約を結んでおくと、葬儀・行政手続き・残務整理などをあらかじめ依頼できます。

遺言書は必ず作らないといけない?

法律上の義務はありませんが、おひとりさまの場合、財産を特定の人や団体に渡したい希望がある場合には、遺言書が有効な手段になります。自筆証書遺言(費用を抑えやすい)と公正証書遺言(紛失リスクが低い)の2種類があり、状況に応じて選べます。

終活はいつ始めるのがいい?

元気で判断力があるうちに始めるのが一番です。入院・介護・認知症が進んでからでは、手続きに必要な契約や意思表示が難しくなることがあります。「まだ早い」と感じるときほど、情報の整理だけでも先に進めておくと安心です。

リリーフノート
北林 歩 ReliefNote 創業者。家族の重要情報マネージャ「ReliefNote」を開発。