生前の備え・お金

生命保険の「指定代理請求人」とは?本人が請求できないときの備え方

2026年10月14日監修:ReliefNote 創業者 北林 歩読了 約7分
結論

指定代理請求人は、本人が認知症・意識不明などで保険金を自分で請求できないとき、あらかじめ指定された家族などが代わりに請求できる制度です。配偶者や直系血族など範囲は限定され、契約時または契約後の届出で指定できます。

この記事の内容
  1. 指定代理請求人とは何か
  2. 対象となる給付金の種類
  3. 指定できる人の範囲
  4. 指定していない場合のリスク
  5. 指定・変更の手続きと必要書類
  6. 成年後見制度・家族信託との違い
  7. よくある質問

生命保険には、入院や手術、がんなどの診断を受けたときに受け取れる「生前給付」の給付金があります。ところが、受け取るべき本人が認知症や意識不明で請求の意思表示ができない場合、そのままでは給付金を受け取れないことがあります。これに備える仕組みが「指定代理請求人」制度です。

1. 指定代理請求人とは何か

指定代理請求人とは、被保険者本人に代わって保険金・給付金を請求できる人として、あらかじめ契約で指定しておく人のことです。多くの生命保険会社が特約や制度として用意しており、契約時に無料で指定できる場合がほとんどです。

2. 対象となる給付金の種類

指定代理請求人が請求できる範囲は、保険会社・契約内容によって定められています。一般的に対象となりやすいのは次のような給付金です。

死亡後に支払われる「死亡保険金」は、もともと受取人として指定された人が請求するものです。指定代理請求人の仕組みは、本人が生きているあいだに受け取る給付金が対象になる点を押さえておきましょう。

3. 指定できる人の範囲

誰でも指定代理請求人になれるわけではありません。保険会社ごとに条件が定められており、一般的には次のような範囲に限られます。

実際の範囲や必要な条件は保険会社・契約ごとに異なるため、指定する前に契約先に確認することが大切です。また、指定代理請求人は1名だけでなく、複数名を指定できる場合もあります。

4. 指定代理請求人がいない場合のリスク

指定代理請求人を決めていないまま、本人が認知症や意識不明の状態になってしまうと、給付金の請求が長期間止まってしまうことがあります。

関連して、認知症などで本人の判断力が低下した場合は銀行口座も動かしづらくなります。あわせて銀行口座の凍結についても知っておくと、お金の流れ全体を把握しやすくなります。

5. 指定・変更の手続きと必要書類

指定代理請求人の指定・変更は、本人の意思がはっきりしているうちに行う必要があります。

指定代理請求人を決めたら、本人と指定代理請求人の双方が「指定されていること」を知っておくことが重要です。本人しか知らない情報のままでは、いざというときに気づかれず機能しません。

6. 成年後見制度・家族信託との違い

指定代理請求人と似た目的で使われる制度に、成年後見制度や家族信託があります。それぞれ役割が異なります。

指定代理請求人は「保険の給付金」という限られた範囲の備えであり、口座や不動産などの財産管理までは代行できません。より広く備えたい場合は、成年後見制度や家族信託と組み合わせて検討する家庭もあります。どの制度が合うかは本人の状況や家族構成によって異なるため、必要であれば専門家に相談することをおすすめします。

また、保険契約の内容そのものを家族が把握していないと、指定代理請求人がいても請求のタイミングを逃してしまいます。親と「もしも」の話をしておくことや、加入している保険の一覧を共有しておくことも備えの一つです。

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7. よくある質問

親が認知症で保険金を請求できない場合、家族が代わりに請求できますか?

契約時に「指定代理請求人」が指定されていれば、本人が認知症や意識不明などで請求できない事情がある場合に、家族が代わりに給付金を請求できます。指定がない場合は請求が難しくなることがあります。

指定代理請求人には誰でもなれますか?

指定できる範囲は保険会社ごとに定められており、一般的に被保険者の配偶者・直系血族・同居または生計を共にする親族などに限られます。会社や契約により条件が異なるため、契約先の最新の案内を確認してください。

指定代理請求人がいないとどうなりますか?

本人が請求できない状態で指定代理請求人もいない場合、給付金の請求が長期間止まってしまうことがあります。その場合は成年後見制度の利用を検討することになりますが、手続きには時間がかかることが一般的です。

指定代理請求人と成年後見制度はどう違いますか?

指定代理請求人は生命保険の給付金請求に限られた仕組みで、契約時や契約後に届出をしておくだけで備えられます。成年後見制度は財産管理全般を代行できる制度ですが、家庭裁判所への申立てが必要で時間がかかります。両方を組み合わせて備える考え方もあります。

リリーフノート
北林 歩 ReliefNote 創業者。家族の重要情報マネージャ「ReliefNote」を開発。