死亡退職金・弔慰金は誰が受け取る?請求方法と相続税の非課税枠
死亡退職金・弔慰金は、勤務先の就業規則・退職金規程で定められた受取人が請求します。死亡退職金は500万円×法定相続人数まで相続税が非課税、弔慰金も一定額までは非課税扱いです。まずは故人の勤務先に連絡し、規程の内容を確認しましょう。
親が在職中や年金受給前に亡くなった場合、勤務先から死亡退職金や弔慰金が支給されることがあります。存在に気づかず請求しないままになっているケースも少なくありません。この記事では、死亡退職金と弔慰金の違い、受取人の確認方法、請求の流れ、相続税の非課税枠についてまとめます。
1. 死亡退職金と弔慰金、法律上の違い
似た場面で支給される2つの給付ですが、法律上の性格は異なります。
- 死亡退職金 — 就業規則・退職金規程に支給基準が明記されている場合、勤務先に支払義務がある権利性の高い給付です。規程で受取人が指定されていれば、その人固有の権利として支給されますが、税務上は原則として相続財産とみなされ、相続税の課税対象になります(みなし相続財産)。
- 弔慰金 — 会社が遺族の心情に配慮して支給する恩恵的な給付で、法律上の支給義務はなく、支給の有無・金額は勤務先の判断によります。一定額までは相続税の対象外とされる扱いです。
この違いにより、同じ「勤務先からの弔慰の意味を持つお金」でも、税務上の扱いが変わってきます。まずは受け取ったものが規程に基づく退職金なのか、会社の裁量による弔慰金なのかを、勤務先からの説明資料で確認しましょう。
2. 受取人は誰?まず確認すべきこと
死亡退職金の受取人は、民法上の相続順位とは別に、就業規則・退職金規程で独自に定められていることが多く、勤務先ごとに内容が異なります。
- 配偶者を最優先とし、子・父母・孫と続く順位を定める規程が一般的です。
- 規程に受取人の指定がある場合、その人固有の権利として支給され、遺産分割協議の対象にはならないのが基本的な考え方です。
- 規程がない、または受取人の指定がない場合は、勤務先の説明に従って手続きを進める必要があります。
3. 勤務先への請求手続きの流れ
一般的な流れは次のとおりです。実際の必要書類は勤務先によって異なります。
- ①勤務先の人事・総務へ死亡の連絡 — 在職中の死亡の場合、まず勤務先へ連絡し、退職金・弔慰金の有無と手続き方法を確認します。
- ②必要書類の準備 — 死亡診断書の写し、故人と受取人の関係を示す戸籍謄本、受取人の本人確認書類・印鑑証明書などを求められるのが一般的です。
- ③請求書類の提出 — 勤務先所定の請求書に記入し、必要書類を添えて提出します。
- ④支給 — 内容確認後、指定口座へ振り込まれます。支給までの期間は勤務先や規程によって異なります。
会社員だけでなく、公務員の共済制度や中小企業退職金共済(中退共)に加入していた場合も、それぞれの窓口への別途請求が必要になることがあります。故人がどの制度に加入していたか分からない場合は、勤務先に確認しましょう。
4. 死亡退職金の相続税の非課税枠
死亡退職金は相続税の課税対象ですが、遺族の生活保障という性格から非課税枠が設けられています。
- 非課税枠:500万円×法定相続人の数
- 対象になるのは、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定した死亡退職金です。
- 非課税枠を超えた部分は、他の相続財産と合算して相続税の課税対象になります。
- 相続放棄をした人が受け取った死亡退職金には、この非課税枠は適用されません。
相続税の申告全体については、基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)とあわせて確認するとわかりやすくなります。詳しくは相続税の基礎控除の記事もあわせてご覧ください。
5. 弔慰金が非課税になる金額の目安
弔慰金は、社会通念上相当と認められる範囲であれば相続税がかからない扱いとされています。目安として、次のような考え方が用いられます(実際の判定は個別事情や税務署の見解により異なるため、必ず税理士や所轄税務署に確認してください)。
- 業務上の死亡の場合 — 死亡当時の普通給与の概ね3年分に相当する額まで。
- 業務外の死亡の場合 — 死亡当時の普通給与の概ね半年分に相当する額まで。
- これらの目安を超える部分は、実質的に死亡退職金とみなされ、相続税の課税対象になることがあります。
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多くの勤務先では、就業規則や退職金規程に受取人の順位が定められています。配偶者を最優先とし、子・父母などが続く例が一般的です。まずは勤務先の規程を確認することが第一歩です。
死亡退職金は退職金規程に基づく権利性のある給付で、原則として相続財産とみなされ相続税の課税対象になります。弔慰金は会社が遺族の心情に配慮して支給する恩恵的な給付で、一定額までは相続税がかからない扱いです。
死亡後3年以内に支給が確定した死亡退職金は「500万円×法定相続人の数」まで相続税が非課税になります。非課税枠を超えた部分は他の相続財産と合算して課税対象となります。
故人の勤務先の人事・総務担当に死亡の連絡をし、退職金規程に基づく請求手続きを案内してもらいます。死亡診断書の写しや戸籍謄本、受取人の本人確認書類などの提出を求められるのが一般的です。
