生前の備え

尊厳死宣言書(リビングウィル)とは?書き方と家族への伝え方

2026年8月15日監修:ReliefNote 創業者 北林 歩読了 約7分
結論

尊厳死宣言書は、回復の見込みがないときに延命治療を望むかどうかの意思を記す文書です。法的強制力はありませんが、公正証書として作成し、家族とかかりつけ医に共有・保管しておくことで、本人の意思が医療現場で尊重されやすくなります。

この記事の内容
  1. 尊厳死宣言書とは・エンディングノートとの違い
  2. 法的効力の限界と医療現場での扱われ方
  3. 公正証書として作成する方法とメリット
  4. 家族・かかりつけ医への共有と保管の仕方
  5. ACP(人生会議)との関係と併用の進め方
  6. よくある質問

「延命治療を望むかどうか」は、本人にしか決められない大切な意思です。しかし、実際にその場面に立ち会うのは家族であり、判断を委ねられた家族が「本人はどう考えていたのだろう」と悩むケースは少なくありません。尊厳死宣言書は、そうした場面で本人の意思を伝えるための手段のひとつです。

1. 尊厳死宣言書とは・エンディングノートとの違い

尊厳死宣言書(リビングウィルとも呼ばれます)は、治る見込みがない末期状態になったときに、単なる延命のための治療を差し控えてほしいという本人の意思を、あらかじめ文書にまとめておくものです。

一方、エンディングノートは、資産・連絡先・葬儀の希望など、暮らし全般の情報を幅広く書き残すものです。尊厳死宣言書は、そのなかの「医療・延命に関する意思」を、より明確な形で切り出したものと考えると分かりやすいでしょう。両方を作成し、エンディングノートから「尊厳死宣言書は別紙にあります」と参照できるようにしておくと、家族が迷いません。

2. 法的効力の限界と医療現場での扱われ方

まず押さえておきたいのは、日本には尊厳死宣言書の効力を直接定める法律が存在しないという点です。宣言書があるからといって、延命治療の中止・不開始が自動的に法的義務になるわけではありません。

尊厳死宣言書は「延命治療をしないことを保証する」ものではなく、「本人の意思を伝える」ための文書です。効力の範囲を正しく理解したうえで作成することが大切です。

3. 公正証書として作成する方法とメリット

尊厳死宣言書は自筆でも作成できますが、公証役場で公正証書として作成する方法が広く用いられています。

費用や具体的な手続きは公証役場や地域によって異なるため、事前に電話などで確認しておくとスムーズです。

4. 家族・かかりつけ医への共有と保管の仕方

尊厳死宣言書は、作っただけでは意味がありません。いざというとき、その存在を知っている人がいなければ、意思は伝わらないままになってしまいます。

あわせて、親と“もしも”の話をしておくことも大切です。文書だけでなく、日頃の会話のなかで本人の考えを聞いておくと、家族も判断のときに落ち着いて向き合えます。

5. ACP(人生会議)との関係と併用の進め方

近年、医療・介護の現場ではACP(アドバンス・ケア・プランニング、通称「人生会議」)という考え方が広まっています。ACPは、本人・家族・医療者が繰り返し話し合いながら、将来の医療やケアの方針を一緒に考えていくプロセスです。

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6. よくある質問

尊厳死宣言書とは何ですか?

回復の見込みがない状態になったとき、過剰な延命治療を望まないという本人の意思を記した文書です。元気なうちに自分の言葉でまとめておくことで、判断ができなくなったときに家族や医師に意思を伝える手がかりになります。

尊厳死宣言書に法的効力はありますか?

日本には尊厳死そのものを直接定める法律がなく、宣言書があれば延命治療の中止が法的に強制されるわけではありません。ただし本人意思を確認する重要な資料として、医療現場の判断材料になります。

公正証書にする必要はありますか?

必須ではありませんが、公証役場で公正証書として作成すると、本人が自らの意思で作成したことの証明力が高まり、家族間で内容をめぐる争いが起きにくくなります。原本は公証役場にも保管されます。

作成したら誰に伝えればいいですか?

同居家族や普段連絡を取る親族に加え、かかりつけ医にも伝えておくことが大切です。保管場所が家族に分からなければ、いざというときに存在自体が見過ごされてしまいます。

リリーフノート
北林 歩 ReliefNote 創業者。家族の重要情報マネージャ「ReliefNote」を開発。