相続

寄与分とは?親の介護や家業への貢献を相続に反映させる方法

2026年8月23日監修:ReliefNote 創業者 北林 歩読了 約8分
結論

寄与分とは、親の介護や家業への従事など特別な貢献をした相続人が、遺産分割で法定相続分に上乗せして財産を受け取れる制度です。相続人以外の親族は「特別寄与料」という別の制度で請求します。

この記事の内容
  1. 寄与分とはどんな制度か
  2. 寄与分を主張できる相続人の範囲
  3. 寄与分が認められやすい典型例
  4. 金額の算定方法と実務上の目安
  5. 主張に必要な証拠・記録の残し方
  6. 相続人以外の親族は「特別寄与料」
  7. 話し合いがまとまらない場合は調停・審判
  8. よくある質問

「長年、自分だけが親の介護をしてきたのに、遠方に住んでいた兄弟姉妹と同じ取り分でいいのだろうか」——遺産分割の場面で、こうした不公平感を抱く方は少なくありません。民法には、こうした特別な貢献を相続に反映させるための「寄与分」という制度があります。この記事では、対象になる人の範囲から、認められやすい例、証拠の残し方、相続人以外の親族向けの制度との違いまで整理します。

1. 寄与分とはどんな制度か

寄与分は、被相続人(亡くなった方)の財産の維持や増加に特別な貢献をした相続人がいる場合に、その貢献分を遺産分割の計算に反映させる制度です。すべての相続人がそれぞれ何らかの形で被相続人を支えていることは珍しくありませんが、寄与分として認められるのは「通常期待される程度を超える、特別な貢献」に限られます。

寄与分は自動的に計算されるものではありません。相続人同士の話し合い(遺産分割協議)の中で主張し、合意する必要があります。合意できない場合は家庭裁判所の手続きに進みます。

2. 寄与分を主張できる相続人の範囲

寄与分を主張できるのは、法定相続人本人に限られます。具体的には、配偶者・子・親・兄弟姉妹など、その相続で実際に相続人となる立場の人です。

「介護を担ってきたのは長男の妻なのに、相続人ではないから何も反映されないのか」という疑問については、後述する特別寄与料で対応できる場合があります。

3. 寄与分が認められやすい典型例

寄与分の主張は、貢献の種類によっていくつかの型に分けて考えられることが一般的です。あくまで考え方の整理であり、実際に認められるかどうかは個別の事情や家庭裁判所の判断によります。

いずれの型でも、「家族として当然の範囲」を超える負担があったかどうかがポイントになります。判断は事案ごとに大きく異なるため、迷う場合は専門家に相談することをおすすめします。

4. 金額の算定方法と実務上の目安

寄与分の金額を決める法律上の計算式はありません。相続人間の話し合いで合意できればその金額で決まりますが、合意できない場合は家庭裁判所が個別の事情を踏まえて判断します。

寄与分の金額は、家庭裁判所や事案によって判断が大きく異なります。この記事で紹介した考え方はあくまで一般的な整理であり、具体的な金額の見通しについては、司法書士・弁護士など専門家に相談することをおすすめします。

5. 主張に必要な証拠・記録の残し方

寄与分は「本当にそれだけの貢献があったか」を他の相続人や家庭裁判所に納得してもらう必要があります。記憶や口頭の説明だけでは弱く、日頃からの記録がものを言います。

こうした記録は、いざ相続が発生してから集めようとしても抜け漏れが生じがちです。日頃から「誰が」「いつ」「何をしたか」を残しておく習慣が、後の話し合いを大きく助けます。財産の全体像の整理については相続手続きの期限一覧も参考にしてください。

6. 相続人以外の親族は「特別寄与料」

相続人の配偶者など、相続人ではない親族が無償で被相続人の介護や看護に貢献していた場合、寄与分は主張できませんが、「特別寄与料」として金銭を請求できる制度があります。

特別寄与料の具体的な要件・期間・手続きは個別事情によって異なります。心当たりがある場合は、早い段階で専門家や家庭裁判所に確認することをおすすめします。

7. 話し合いがまとまらない場合は調停・審判

寄与分の有無や金額について相続人間で合意できない場合は、家庭裁判所の「遺産分割調停」または「寄与分を定める調停・審判」の手続きを利用します。

遺産分割全体の進め方については遺産分割協議書の書き方の記事もあわせてご覧ください。

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8. よくある質問

寄与分とはどんな制度ですか?

被相続人の介護や家業への従事など特別な貢献をした相続人が、遺産分割の際に法定相続分に上乗せして財産を受け取れる制度です。対象は相続人に限られ、相続人以外の親族は別途「特別寄与料」を請求します。

寄与分を主張できるのは誰ですか?

法定相続人本人に限られます。相続人の配偶者など相続人以外の親族が同じように貢献していた場合は、寄与分ではなく特別寄与料という別の制度で金銭を請求します。

寄与分はどのように金額を決めますか?

法律上の明確な計算式はなく、貢献の内容・期間・被相続人の状態などを踏まえて相続人間の話し合いで決めます。まとまらない場合は家庭裁判所の調停・審判で、介護日誌や支出記録などの証拠をもとに判断されます。

介護をしていたことをどう証明すればいいですか?

介護日誌や通院記録、要介護度の資料、立て替えた費用の領収書、仕事を休んだ記録などを日頃から残しておくことが有効です。記憶だけに頼らず、日付入りの記録を継続して残すことが主張の土台になります。

リリーフノート
北林 歩 ReliefNote 創業者。家族の重要情報マネージャ「ReliefNote」を開発。