相続

遺産分割協議書とは?作り方と必要になる場面

2026年7月14日監修:ReliefNote 創業者 北林 歩読了 約8分
結論

遺産分割協議書とは、相続人全員が遺産の分け方に合意した内容を記した書類です。不動産の名義変更(相続登記)や銀行口座の解約・払い戻しに必要で、相続人全員の署名と実印による押印が求められます。書式は自由ですが、記載漏れがあると手続きが止まります。

この記事の内容
  1. 遺産分割協議書とは何か
  2. どんな場面で必要になるか
  3. 記載すべき項目
  4. 作成の手順(ステップ別)
  5. 実印・印鑑証明が必要な理由
  6. 専門家に頼む目安
  7. よくある質問

親が亡くなった後の相続手続きで、「遺産分割協議書が必要」と言われて戸惑うケースは少なくありません。遺言書があれば基本的に不要ですが、遺言書がない場合や、遺言書と異なる分け方をする場合には、この書類が手続きの要になります。

この記事では、遺産分割協議書の役割・記載項目・作成手順・専門家に頼む目安を、実際の手続きの流れにそって整理します。相続手続きの全体像については 相続手続きの期限一覧 もあわせて参照ください。

1. 遺産分割協議書とは何か

人が亡くなると、遺産(財産)は法定相続人が共有している状態になります。その遺産を「誰が何を受け取るか」を相続人全員で話し合うことを遺産分割協議といい、その合意内容を書面にしたものが遺産分割協議書です。

遺言書がある場合は、原則として遺産分割協議書は不要です。ただし、相続人全員が合意のうえで遺言と異なる分け方をするときは、改めて協議書が必要になります。

2. どんな場面で必要になるか

遺産分割協議書の提出を求められる主な場面は以下のとおりです。

各金融機関や法務局によって必要書類の細かい要件が異なる場合があります。手続きを始める前に、それぞれの窓口に必要書類を確認しておくと二度手間を防げます。

3. 記載すべき項目

遺産分割協議書には、次の項目を漏れなく記載します。

不動産の情報は、登記事項証明書(登記簿謄本)を取り寄せて正確に転記することが大切です。記載内容が登記簿と一字でも違うと、法務局で補正を求められることがあります。

4. 作成の手順(ステップ別)

遺産分割協議書を作成するときの基本的な流れを整理します。

  1. 相続人を確定する
    被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍を含む)をすべて取り寄せ、法定相続人を確定します。見落としがあると協議書が無効になる場合があります。
  2. 遺産の全体像を把握する
    預貯金・不動産・有価証券・生命保険・負債など、故人の財産と負債をすべてリストアップします。この作業が最も時間のかかる工程です。故人がどこに何を持っていたか記録が残っていると、大きく手間を省けます。
  3. 相続人全員で分け方を話し合う(遺産分割協議)
    全員が顔を合わせる必要はなく、書面・メール・電話でのやりとりでも構いませんが、必ず全員の合意が必要です。一人でも欠けると協議は成立しません。
  4. 合意内容を文書にまとめる
    上記「記載すべき項目」を盛り込んだ文書を作成します。A4用紙・パソコン作成・縦書き横書きの指定はありません。ページをまたぐ場合は割り印(各ページの境目に全員の実印を押す)が必要です。
  5. 相続人全員が署名・実印で押印する
    全員分の署名(自筆)と実印の押印を集めます。遠方の相続人がいる場合は、複数部作成して郵送でまわす方法が一般的です。
  6. 印鑑証明書を取得する
    各相続人の市区町村役場で印鑑証明書を取得します。手続き先によって「発行から3か月以内」などの有効期限を設けている場合があるため、手続きの直前に取得するのが安心です。
  7. 各機関に提出する
    法務局・金融機関・証券会社など、手続きが必要な機関ごとに協議書の原本または写しを提出します。原本を複数部作成しておくと、複数の機関で並行して手続きできます。

5. 実印・印鑑証明が必要な理由

遺産分割協議書に押す印鑑は実印でなければなりません。理由は、不動産の相続登記(法務局)や金融機関での手続きにおいて、署名・押印が本人のものであることを客観的に証明する必要があるからです。

認印や三文判では、法務局・金融機関の手続きで受け付けてもらえません。相続人が多い場合は、全員分の実印・印鑑証明書の収集が完了するまで時間がかかることを見越して早めに動きましょう。

6. 専門家に頼む目安

遺産分割協議書は自分で作成できますが、次のような状況では司法書士・弁護士・税理士への相談・依頼を検討するのが安心です。費用や対応範囲は専門家ごとに異なるため、複数に問い合わせてから決めることをおすすめします。

なお、相続放棄の手続きと期限については 相続放棄の手続き解説 を参照してください。

「どこに何があるか」を事前に記録しておく

遺産分割協議書の作成で最も時間がかかるのは、遺産の全体像の把握です。ReliefNote なら、口座・不動産・保険・契約情報を生前に1か所にまとめておくことができます。いざというときに家族がすぐに動き出せるよう、今から準備しておきましょう。

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よくある質問

遺産分割協議書はどう作ればいいですか?

相続人全員で遺産の分け方を話し合い(遺産分割協議)、合意内容を文書にまとめます。相続人全員が署名し、それぞれの実印を押印します。書式の指定はなく自分で作成できますが、不動産がある場合や相続人が多い場合は司法書士・弁護士に依頼するのが確実です。

遺産分割協議書に実印が必要なのはなぜですか?

不動産の相続登記や銀行の預金払い戻し手続きでは、協議書に押された印鑑が実印であることを証明するために印鑑証明書の添付が求められます。各機関によって必要書類が異なるため、手続き先に事前確認することをおすすめします。

遺産分割協議書がないと困ることはありますか?

不動産の名義変更(相続登記)や銀行口座の解約・払い戻しは、原則として遺産分割協議書を提出しないと手続きできません。また、相続登記は2024年4月から義務化され、相続を知った日から3年以内に申請しないと10万円以下の過料の対象になる場合があります。

専門家に頼む目安はありますか?

不動産がある・相続人が多い・相続人の間で意見が分かれている・海外在住の相続人がいる・負債の有無が不明などの場合は、司法書士や弁護士への依頼を検討するのが安心です。費用や対応範囲は専門家によって異なるため、複数に相談してから決めるとよいでしょう。

リリーフノート
北林 歩 ReliefNote 創業者。家族の重要情報マネージャ「ReliefNote」を開発。