個人事業主の親が亡くなったら?廃業届・準確定申告・許認可承継の手続き完全ガイド
個人事業主の親が亡くなったら、「個人事業の開業・廃業等届出書」を死亡から1か月以内に所轄税務署へ提出します。あわせて準確定申告(4か月以内)、営業許可などの許認可の再取得・廃業判断、従業員がいる場合の給与・社会保険手続きを並行して進めます。
個人事業主だった親が亡くなると、通常の相続手続きに加えて「事業をどうするか」という判断と、税務署への届出が必要になります。ここでは、廃業届の出し方から、準確定申告、許認可、従業員がいる場合の対応まで、時系列で整理します。親が亡くなったら最初にやること全般は別記事もあわせてご確認ください。
1. 個人事業の廃業届はどう出す?(提出期限・提出先)
個人事業主が死亡した場合、事業を継続するかどうかにかかわらず、故人名義の事業は一度「廃業」の扱いになります。
- 書類名:個人事業の開業・廃業等届出書
- 提出期限:死亡の事実を知った日から1か月以内
- 提出先:故人の事業の納税地を所轄する税務署
- 提出者:相続人(代表して1人が提出することが多い)
- 記載のポイント:廃業の事由欄に「死亡」である旨を記載します
2. 青色申告取りやめ届・消費税の事業廃止届出書は必要?
廃業届とあわせて、故人の申告状況に応じて次の届出が必要になる場合があります。
- 所得税の青色申告の取りやめ届出書 — 故人が青色申告をしていた場合。翌年の申告方法を整理するために提出します。
- 消費税の事業廃止届出書 — 故人が消費税の課税事業者だった場合。
- 給与支払事務所等の廃止届出書 — 従業員を雇用していた場合(後述)
これらは事業の状況によって要否が変わるため、廃業届を提出する際に税務署の窓口であわせて確認すると手続き漏れを防げます。
3. 準確定申告との関係(死亡から4か月以内)
廃業届の提出と、故人の所得税の申告(準確定申告)は別の手続きです。混同しないよう整理しておきましょう。
- 準確定申告の期限:相続人が相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内
- 対象:その年の1月1日から死亡日までの事業所得・その他の所得
- 申告者:相続人(相続人が複数いる場合は連署が原則)
- 事業所得の扱い:死亡日までの売上・経費を集計し、通常の確定申告と同じ考え方で所得を計算します
4. 飲食店営業許可・建設業許可は自動的に相続されない
事業を相続人が引き継ぎたい場合、特に注意が必要なのが許認可です。
- 飲食店営業許可、建設業許可、古物商許可、宅地建物取引業免許
- 相続人が事業を続ける場合でも、許可が自動的に承継されるわけではなく、相続人の名義で新たに許可を取得し直す手続きが必要になるのが一般的です
- 許可の種類によっては、一定期間内の届出により地位承継が認められる制度がある場合もあります。所管の自治体・保健所・許認可庁に個別に確認しましょう
- 事業を続けない場合は、営業許可の廃業届出も忘れずに行います
許認可の扱いは業種や自治体によって手続きが大きく異なります。まずは「その許可がどこの管轄か」「誰の名義で取ったものか」を確認し、早めに窓口へ相談することが、営業を止めずに引き継ぐための鍵になります。
5. 従業員がいた場合にやること
親の事業に従業員がいた場合、税務・社会保険の両面で手続きが必要です。
- 給与支払事務所等の廃止届出書 — 事業を廃止する場合、税務署に提出します
- 従業員の社会保険(健康保険・厚生年金)の資格喪失手続き — 年金事務所・協会けんぽ等へ
- 雇用保険の資格喪失手続き — ハローワークへ
- 源泉徴収票の発行 — 従業員の年末調整・確定申告のために必要です
- 事業を相続人が引き継ぐ場合は、従業員との雇用契約をどう扱うか(そのまま継続するか、一度終了して再契約するか)を早めに従業員本人と話し合っておくと混乱を防げます
従業員がいる事業ほど、廃業か継続かの判断を先延ばしにできません。相続手続き全体の期限一覧とあわせて、優先順位を整理しておくとよいでしょう。
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「個人事業の開業・廃業等届出書」に廃業事由として死亡を記載し、死亡の事実を知った日から1か月以内に、故人の納税地を所轄する税務署へ相続人が提出します。
はい、別の手続きです。廃業届は死亡から1か月以内、準確定申告(故人のその年の所得税の申告)は死亡から4か月以内が期限です。廃業届を出しても準確定申告の義務は別途生じます。
多くの許認可は名義人本人に対して与えられたもので、相続人へ自動的には承継されません。事業を続ける場合は相続人名義で許可を再取得する手続きが必要になるのが一般的です。続けない場合は廃業の届出を行います。
事業を廃止する場合は「給与支払事務所等の廃止届出書」を税務署に提出し、従業員の社会保険・雇用保険の資格喪失手続きも必要です。事業を相続人が引き継ぐ場合は、雇用契約の扱いを従業員と確認します。
