親が死亡したら雇用保険(失業給付)はどうなる?未支給分の請求方法
親が雇用保険の失業給付(基本手当)を受給中に亡くなった場合、本人未受領分は遺族が「未支給失業等給付」として請求できます。請求できる遺族には順位があり、死亡日の翌日から6ヶ月以内にハローワークへ申請する必要があります。
失業中の親が離職後、雇用保険の基本手当(いわゆる失業給付)を受けながら次の仕事を探していた——という場合、万が一その親が亡くなると「まだ支払われていなかった給付はどうなるのか」という疑問が出てきます。年金とは異なる制度・異なる窓口での手続きになるため、順を追って整理します。
1. 未支給失業等給付とは何か
雇用保険の基本手当は、原則として本人がハローワークに出向いて「失業の認定」を受けたうえで支払われます。認定を受けた分であっても、実際に本人の口座に振り込まれる前に本人が死亡してしまうと、その分は本人には支払われません。
- この本人未受領の基本手当を、遺族が代わりに請求できる仕組みが「未支給失業等給付」です。
- 対象になるのは、死亡した本人が受給資格者であり、すでに失業の認定を受けていた(または認定を受けられる状態にあった)日数分の基本手当です。死亡後に新たに給付が発生するわけではありません。
- 遺族が本人に代わって受給を「継続」できるわけではない点に注意が必要です。あくまで、本人がもらうはずだった分の後払いという位置づけです。
2. 請求できる遺族の範囲と順位
未支給失業等給付を請求できるのは、本人の死亡当時、本人と生計を同一にしていた遺族に限られます。誰でも請求できるわけではなく、以下のような優先順位が定められています。
- 配偶者
- 子
- 父母
- 孫
- 祖父母
- 兄弟姉妹
この順位の中で、最も順位の高い方1人が請求者となるのが原則です。同順位の方が複数いる場合の扱いや、生計同一の判断基準については、個別の事情によって異なるため、管轄のハローワークに確認することをおすすめします。
3. 請求期限は6ヶ月以内
未支給失業等給付の請求には期限があります。
| 手続き | 期限の目安 | 窓口 |
|---|---|---|
| 未支給失業等給付の請求 | 死亡日の翌日から6ヶ月以内 | 本人の受給資格者証を発行したハローワーク |
| 死亡届 | 7日以内 | 市区町村役場 |
| 未支給年金の請求 | 別途、年金事務所の案内による | 年金事務所 |
4. 必要書類と請求の流れ
請求先は、本人が雇用保険受給資格者証の交付を受けていたハローワークです。一般的に求められる書類は次のようなものですが、個別の状況によって追加を求められることがあるため、事前に電話等で確認してから窓口に行くとスムーズです。
- 死亡を証明する書類 — 死亡診断書の写し、または死亡の記載がある戸籍謄本など
- 請求者と本人の関係を確認できる書類 — 戸籍謄本など
- 生計同一関係を確認できる書類 — 住民票の写しなど(別居の場合は仕送りの記録等が求められることもあります)
- 本人の雇用保険関係の書類 — 雇用保険受給資格者証、失業認定申告書など、本人が保管していたもの
- 請求者の本人確認書類・印鑑・受取先の金融機関情報
本人が受給資格者証をどこに保管していたか分からないと、手続きの出発点でつまずいてしまいます。生前に「どの書類をどこにしまっているか」を家族で共有しておくことが、こうした場面での負担を減らします。相続全体の流れについては親が亡くなったら、まず何をする?やることリストと順番も参考にしてください。
5. 未支給年金とは別手続き
「未支給」という言葉は年金の手続きでも使われるため混同しやすいのですが、雇用保険の未支給失業等給付と、年金の未支給年金は、管轄も必要書類も別の手続きです。
- 雇用保険の未支給失業等給付 → ハローワークが窓口
- 未支給年金 → 年金事務所(または年金相談センター)が窓口
親が離職後に基本手当を受給していて、かつ年金も受給していた(または受給年齢が近かった)場合は、両方の窓口でそれぞれ請求が必要になることがあります。未支給年金の請求方法については未支給年金の請求方法の記事で詳しく解説しています。あわせて確認しておくと、漏れを防げます。
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本人が受け取るはずだった基本手当のうち、まだ支払われていない分は「未支給失業等給付」として、生計を同一にしていた遺族が請求できます。本人に代わってそのまま続けて給付を受けられるわけではありません。
死亡当時、本人と生計を同一にしていた遺族に限られます。配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順に優先順位が定められており、原則として最も順位の高い方が請求します。
死亡診断書の写しや死亡を証明する書類、戸籍謄本など親族関係を確認できる書類、生計を同一にしていたことが分かる書類、本人の失業認定に関する書類(雇用保険受給資格者証など)が一般的に必要です。詳細はハローワークで確認してください。
いいえ、別の手続きです。未支給の年金は年金事務所、未支給の雇用保険(基本手当)はハローワークが窓口となり、必要書類も異なります。それぞれで請求する必要があります。
