親が亡くなり子が未成年の場合の未成年後見人選任手続き
親権者が亡くなり他方の親もいない・親権を行えない場合、子のために家庭裁判所へ未成年後見人選任の審判を申し立てる必要があります。遺言で指定があればその人がそのまま就任でき、審判を待たずに済みます。
親権を行う親が亡くなったとき、子が未成年であれば「誰が親権者の代わりに子の生活と財産を守るか」という問題が生じます。もう一方の親が健在で親権を持てる場合は基本的にその親が引き続き親権者となりますが、そうでない場合は家庭裁判所での手続きが必要になります。ここでは、その要件と流れを整理します。
1. 未成年後見人が必要になる要件
未成年後見が開始するのは、次のようなケースです。
- 親権者が死亡し、他方の親もいない場合 — 単独親権の親が死亡し、もう一方の親がすでに死亡している、あるいは離婚後に親権者になっていない場合。
- 他方の親が親権を行えない場合 — 親権喪失・親権停止の審判を受けている、行方不明で親権を行使できないなど。
- 両親がともに死亡した場合 — 単独親権・共同親権を問わず、親権を行う者が誰もいなくなったとき。
2. 遺言による未成年後見人の指定
最後に親権を行う親は、遺言によってあらかじめ未成年後見人を指定しておくことができます。この指定があれば、その方が家庭裁判所の選任審判を経ることなく未成年後見人として就任でき、子の生活が不安定になる期間を短くできます。
- 指定できるのは、単独で親権を行っている親(最後に親権者となった親)です。
- 遺言の効力が生じるのは親権者の死亡時のため、公正証書遺言など、確実に発見・執行される形で残しておくことが望まれます。
- 指定された人が就任を辞退する場合や、指定自体がない場合は、通常どおり家庭裁判所への申立てが必要です。
遺言の準備や、万一に備えた家族への情報共有については 親と「もしも」の話をどう切り出すか も参考にしてください。
3. 選任審判までの流れと必要書類
遺言による指定がない場合、子の親族などが申立人となり、家庭裁判所へ選任を求めます。おおまかな流れは次のとおりです。
- 申立先 — 子の住所地を管轄する家庭裁判所。
- 申立人になれる人 — 未成年者本人(一定の判断能力がある場合)、親族、その他利害関係人など。
- 主な必要書類 — 未成年後見人選任申立書、未成年者の戸籍謄本、親権者の死亡がわかる戸籍(除籍)謄本、後見人候補者の住民票・戸籍謄本など。書式や必要書類は家庭裁判所によって案内が異なるため、事前に確認しておくと安心です。
- 審理・審判 — 家庭裁判所が候補者の適格性や子との関係、生活環境などを考慮して判断します。審理には一定の期間がかかることがあります。
祖父母や叔父叔母などの親族が候補者になることが多いですが、子の利益を最優先に、家庭裁判所が最終的に適格性を判断します。候補者が複数いる場合や意見が分かれる場合は、調整に時間を要することもあります。
4. 未成年後見監督人と財産管理の注意点
家庭裁判所は、必要と判断した場合に未成年後見監督人を選任することがあります。未成年後見監督人は、後見人の事務を監督し、後見人が子の財産を適切に管理しているかをチェックする役割を担います。
- 未成年後見人は、子の財産について財産目録の作成や、定期的な報告を求められることがあります。
- 子の財産を後見人自身のために使うことはできず、子の利益のための支出であることが前提です。
- 不動産の処分など重要な財産行為には、家庭裁判所の許可や未成年後見監督人の同意が必要になる場合があります。
5. 成年後見との違い・相続手続きにおける子の代理
未成年後見と成年後見は、どちらも「本人に代わって財産管理や身上に関する事務を行う」という点は共通しますが、目的も開始の要件も異なります。
- 未成年後見 — 親権者がいなくなった未成年者のために開始し、子が成人すると原則として終了します。
- 成年後見 — 判断能力が不十分になった成人のために家庭裁判所が開始する制度で、本人の判断能力の程度に応じた類型があります。
また、親が亡くなり相続が発生した場合、未成年の子は遺産分割協議を単独で行うことができません。未成年後見人が選任されていればその後見人が、あるいは親権者と子がともに相続人になるなど利益が相反するケースでは特別代理人の選任が必要になる場合があります。相続全体の流れは 親が亡くなったら、まず何をする?やることリストと順番、期限の一覧は 相続の期限一覧 もあわせてご覧ください。
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他方の親がいない、または親権者になれない場合は、家庭裁判所へ未成年後見人選任の審判を申し立てます。遺言で指定されていればその人が就任し、指定がなければ親族などが候補者として申立てを行います。
祖父母や叔父叔母などの親族が候補になることが多いですが、法律上の欠格事由に該当しない限り親族以外でも可能です。最終的に家庭裁判所が子の利益を考慮して適格性を判断します。
はい。最後に親権を行う親は、遺言で未成年後見人を指定できます。指定があれば家庭裁判所の選任審判を経ずにその人が後見人となり、手続きの停滞を防げます。
未成年後見は親権者に代わって未成年の子の身上監護と財産管理を行う制度で、子が成人すれば終了します。成年後見は判断能力が不十分な成人を対象とし、開始要件や監督の仕組みが異なります。
