年金の受給停止手続きと未支給年金|故人の年金はどう止める?
年金事務所へ「受給権者死亡届」を提出して年金を停止します。厚生年金は死亡から10日以内、国民年金は14日以内が目安。同時に未支給年金の請求書も提出することで、受け取りが終わっていない年金を遺族が受け取れます。マイナンバーと年金が連携されていれば届出を省略できる場合もあります。
親が亡くなり、葬儀が一段落すると次に待っているのが年金の停止手続きです。「止め忘れると返還を求められる」と聞いて不安になる方も多いでしょう。この記事では、手続きの流れ・窓口・必要書類から、見落としがちな未支給年金の請求方法まで、ひとつずつ整理します。
なお、親が亡くなった直後にやるべき全体の流れは、「親が亡くなったら、まず何をする?やることリストと順番」にまとめていますので、あわせてご覧ください。
1. 年金停止手続きの全体像
年金は原則として偶数月の15日に前2か月分が後払いされる仕組みです。亡くなった月や翌月にも入金が続くことがありますが、それは「すでに受け取るべきだった月分」の場合もあれば、「過誤受給(返還が必要)」になる場合もあります。正確に判断するためにも、速やかに年金事務所へ連絡することが大切です。
大まかな流れは次のとおりです。
- 死亡の事実を確認し、年金証書(年金手帳)の保管場所を探す
- 年金事務所へ「受給権者死亡届(報告書)」を提出して受給を停止する
- 同時に「未支給年金・未支払い給付金請求書」を提出する
- 遺族年金の受給資格がある場合は、別途「遺族年金請求書」を提出する
2. 受給停止の届出:窓口・期限・必要書類
窓口はどこ?
最寄りの年金事務所(または街角の年金相談センター)が窓口です。郵送での手続きも可能ですが、不備があると差し戻しになるため、初めての方は窓口持参がスムーズです。
- 国民年金のみ受給の場合 → 市区町村の年金担当窓口でも受け付ける場合があります(自治体によって異なります)
- 厚生年金・共済年金 → 年金事務所が主な窓口です
届出の期限の目安
| 年金の種類 | 届出期限の目安 |
|---|---|
| 厚生年金保険 | 死亡から10日以内 |
| 国民年金 | 死亡から14日以内 |
期限を過ぎても手続きそのものはできますが、その間に過誤受給(亡くなった後の月分の年金が振り込まれた場合)が生じると、返還を求められます。できるだけ早めに手続きを進めましょう。
主な必要書類
以下は一般的な例です。年金の種類や家族構成によって異なるため、事前に年金事務所へ確認するか、日本年金機構の公式サイトで最新情報をご確認ください。
- 受給権者死亡届(報告書)— 年金事務所で入手、または日本年金機構サイトからダウンロード可
- 故人の年金証書(見つからない場合は紛失として申告できます)
- 死亡の事実を証明する書類(戸籍謄本・住民票の除票など)
- 届出人(手続きをする遺族)の本人確認書類
- 届出人のマイナンバーが確認できる書類(マイナンバーカードなど)
3. マイナンバー連携で省略できる場合
故人のマイナンバーが日本年金機構に登録・連携されている場合、「受給権者死亡届」の提出を省略できることがあります。これは、マイナンバーを通じて住民票の死亡情報が年金機構に伝わるためです。
ただし、次の点に注意が必要です。
- 連携されているかどうかは、年金事務所に確認しないと分かりません
- 省略できるのはあくまで「死亡届の提出」であり、未支給年金の請求は別途手続きが必要です
- 連携の状況によっては省略できない場合もあります
「マイナンバーが連携されているから手続き不要」と思い込まず、念のため年金事務所へ連絡して確認する姿勢が安心です。
4. 未支給年金とは何か、誰がもらえるか
年金は後払いの仕組みのため、亡くなった月までに受け取るべきだった年金が残っている場合があります。これを「未支給年金」といい、遺族が請求することで受け取れます。
未支給年金が発生しやすいタイミング
- 奇数月に亡くなった場合(前2か月分の支払いと亡くなった月がずれるため)
- 死亡後に初めて支払日が来る場合
請求できる遺族の範囲(法令上の順位)
未支給年金を請求できるのは、故人と生計を同じくしていた遺族に限られます。法令で定める順位は次のとおりです。
- 配偶者
- 子
- 父母
- 孫
- 祖父母
- 兄弟姉妹
- 上記以外の三親等内の親族(2019年4月以降)
請求に必要な主な書類
- 未支給年金・未支払い給付金請求書
- 故人の死亡を証明する書類(住民票の除票・戸籍謄本など)
- 請求者と故人の続柄が分かる書類(戸籍謄本など)
- 生計を同じくしていたことを証明する書類(住民票など)
- 請求者の本人確認書類・振込先口座の情報
死亡届の提出と同時に窓口で申し出ることで、まとめて手続きが完了します。「未支給年金の請求もしたい」と最初に伝えると、必要書類を一緒に案内してもらえます。
5. 遺族年金との違いを整理する
混同しやすいので、ここで整理します。
| 種類 | 内容 | 誰が受け取る |
|---|---|---|
| 未支給年金 | 故人が受け取るはずだったが受け取れなかった年金 | 生計を同じくしていた遺族(法令順位) |
| 遺族年金 | 故人の死亡を機に、遺族自身が新たに受け取れる年金 | 要件を満たす配偶者・子など |
遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)は、要件を満たす場合に遺族が継続して受け取れる年金です。受給要件や金額は、故人の年金加入歴や遺族の状況によって異なります。詳しくは「遺族年金の受給要件と手続き」の記事もご参照ください。
6. 手続きチェックリスト
年金事務所に行く前に、以下を確認・準備しておくとスムーズです。
- □ 故人の年金証書(基礎年金番号)の場所を確認した
- □ 死亡診断書のコピーを用意した(複数枚あると安心)
- □ 戸籍謄本・住民票の除票を取得した(または取得の目途がついている)
- □ 手続きをする遺族の本人確認書類・マイナンバー書類を準備した
- □ 故人のマイナンバーが年金と連携されているか確認した(年金事務所に電話確認)
- □ 未支給年金の請求書も一緒に提出することを年金事務所に伝えた
- □ 遺族年金の受給資格の有無を確認した
- □ 振込先口座の情報を用意した(未支給年金の振込先)
年金の情報も、まとめて記録しておく
ReliefNote は、親の年金番号・加入状況・連絡先などをあらかじめ記録しておける家族情報アプリです。もしものときに「どこに連絡すれば?」と家族が迷わずに済みます。手続きの案内機能も無料でご利用いただけます。
ReliefNote を無料で使ってみるよくある質問
お近くの年金事務所(または街角の年金相談センター)が窓口です。「受給権者死亡届(報告書)」を提出します。マイナンバーが年金と連携されている場合は、この届出が省略できることがあります。国民年金のみ受給の方は、市区町村の年金担当窓口でも対応している場合があります。
厚生年金は死亡から10日以内、国民年金は14日以内が目安とされています。期限を過ぎても手続きそのものはできますが、過誤受給(受け取り過ぎ)が生じると返還を求められます。できるだけ早めに手続きしましょう。
年金は後払いのため、亡くなった月(またはその直前月)までの受け取っていない年金が残る場合があります。これを「未支給年金」といい、故人と生計を同じくしていた遺族(配偶者・子・父母など、法律で定める順位の方)が請求できます。相続財産には含まれず、請求した遺族固有の権利として支払われます。
はい、同時に手続きできます。年金事務所で「受給権者死亡届」と「未支給年金請求書」を一緒に提出するのが一般的です。必要書類をまとめて持参すると、窓口への往復が1回で済みます。
別の制度です。未支給年金は故人が受け取るはずだったが受け取っていなかった年金。遺族年金は、故人の死亡を機に遺族自身が新たに受け取れる年金です。いずれも年金事務所で手続きしますが、要件や請求書が異なります。
