親が亡くなった後、残されたペットはどうする?引き取りと里親探しの手順
まず家族・親族の中で一時的に世話ができる人を探し、かかりつけの動物病院に連絡します。そのうえで自治体の窓口や保護団体に相談しながら、家族が引き取るか、新しい飼い主(里親)を探すかを決めていきます。慌てて手放す前に、選択肢を確認することが大切です。
親が亡くなったとき、家の中に取り残されるのは人だけではありません。犬や猫などのペットも、突然「世話をしてくれる人」を失います。悲しみのなかで人の手続きに追われがちですが、ペットの世話は待ってくれません。この記事では、親が亡くなった直後にペットのためにできることを、順を追って整理します。
1. まず「一時的に預かってくれる人」を確保する
葬儀や役所の手続きに追われる数日間、ペットを誰かが世話する必要があります。まずは短期間だけでも預かってくれる人を確保しましょう。
- 同居していた家族・近くに住む親族 — もっとも現実的な選択肢です。餌やトイレの世話、散歩の頻度などを申し送りします。
- ペットホテルや一時預かりサービス — 身近に頼める人がいない場合、動物病院やペットショップが併設している一時預かりを利用できることがあります。
- 近所の知人・友人 — 生前から親と交流があった方であれば、ペットの性格や生活リズムを知っている場合もあります。
2. かかりつけ動物病院への連絡と名義変更
ペットの健康状態を正確に把握するため、かかりつけの動物病院に連絡しておくと、その後の預け先探しや里親探しがスムーズになります。
- 診療記録・持病・投薬の確認 — 定期的な薬やアレルギー、持病があれば、次の世話をする人に正しく引き継ぐために必要です。
- ワクチン接種歴の確認 — 一時預かり先や譲渡先を探す際に聞かれることが多い情報です。
- 鑑札・注射済票の名義変更 — 犬を登録している市区町村の窓口で、飼い主の変更届が必要です。
- マイクロチップの登録情報変更 — 環境省の指定登録機関(犬と猫のマイクロチップ情報登録)のデータベースで、飼い主情報を変更する手続きがあります。
これらの名義は、実際に新しい飼い主が確定してから変更するのが基本ですが、かかりつけ病院への連絡だけは早めに済ませておくと安心です。
3. 自治体・保護団体の相談窓口
家族の中で引き取り手が見つからない場合や、判断に迷う場合は、一人で抱え込まずに専門の窓口に相談しましょう。
- 自治体の動物愛護センター・保健所 — 犬猫の相談窓口を設けている自治体が多く、地域の譲渡会や保護団体の情報を教えてもらえることがあります。
- 地域の動物愛護団体・保護団体 — 一時保護や譲渡先探しのサポートを行っている団体があります。対応できる動物種や条件は団体によって異なるため、事前に問い合わせて確認しましょう。
- かかりつけ動物病院 — 地域の里親募集情報や、信頼できる団体を紹介してくれることもあります。
4. 里親(新しい飼い主)を探す方法
家族での引き取りが難しい場合、新しい飼い主を探すことになります。焦って決めず、ペットにとって安心できる環境かどうかを見極めることが大切です。
- 保護団体・譲渡会を通じて探す — 団体が事前に応募者の面談や環境確認を行ってくれる場合があり、安心材料になります。
- 知人・地域のつながりから探す — ペットの性格をよく知る人が身近にいれば、環境の変化によるストレスを抑えられることがあります。
- SNSや里親募集サイトを使う場合の注意点 — 応募者の身元や飼育環境を必ず確認し、可能であれば対面で会ってから譲渡を判断しましょう。トライアル期間(試し飼い)を設けている団体・個人も多くあります。
- 譲渡契約書を交わす — 後々のトラブルを避けるため、譲渡の条件(終生飼養、再譲渡の禁止など)を書面で確認しておくと安心です。
関連する手続きの全体像は「親が亡くなったら、まず何をする?やることリストと順番」でも整理しています。あわせてご確認ください。
5. 将来のために——生前にできる備え
ペットを飼っている家庭では、「もしも」のときにペットがどうなるかを、元気なうちに考えておくことが大きな備えになります。
- 緊急時に預かってくれる人を決めておく — 家族や信頼できる知人と、あらかじめ「もしものときにお願いできるか」を話しておくだけでも、いざというときの動きが変わります。
- 負担付き遺贈 — 遺言でペットの世話を条件に財産を遺す方法です。遺言に「ペットの飼育を条件として、財産の一部を譲る」旨を記載することで、飼育者に費用面の負担をかけにくくできます。
- ペット信託 — 信頼できる人や専門家に飼育費用の管理を託し、実際にペットを世話する人とは別に、お金の流れを管理してもらう仕組みです。制度の詳細や利用できる範囲は取扱機関によって異なるため、検討する際は専門家に相談することをおすすめします。
- ペットの情報を書き残しておく — かかりつけ病院、持病・投薬内容、フード、性格や苦手なものなどを記録しておくと、預かる人・引き取る人がスムーズに世話を引き継げます。
こうした「もしも」の備えは、「エンディングノートの書き方」の中でペット欄として書き残しておく方法もあります。
ペットの情報も、家族に残しておく
ReliefNote は、かかりつけ病院や連絡先、大切な人へ伝えたいことなど、「どこに何があるか」を1か所にまとめて残せるアプリです。ペットのことも、いざという時に家族が迷わないように記録しておけます。無料。
ReliefNote を無料で使ってみる6. よくある質問
まず家族や親族の中で一時的に世話ができる人を探し、かかりつけの動物病院に状況を伝えます。そのうえで自治体の窓口や保護団体に相談しながら、新しい飼い主を探すか、家族の誰かが正式に引き取るかを決めていきます。
お住まいの自治体の動物愛護センターや保健所が相談窓口になります。地域の動物愛護団体や保護団体でも一時保護や譲渡の相談を受け付けていることがあるので、複数の窓口に当たってみるとよいでしょう。
緊急時に預かってくれる人をあらかじめ決めておくこと、かかりつけ病院や持病・投薬の情報を書き残しておくこと、負担付き遺贈やペット信託など飼育費用を確保する法的な手段を検討しておくことが挙げられます。
犬の鑑札は登録している市区町村への届出、マイクロチップは環境省のデータベースでの登録情報変更が必要です。新しい飼い主が決まった際は、変更手続きを忘れずに行いましょう。
