相続

祭祀財産(お墓・仏壇)を継ぐ人は誰?祭祀承継者の決め方と手続き

2026年10月9日監修:ReliefNote 創業者 北林 歩読了 約7分
結論

祭祀承継者は遺言・慣習・家庭裁判所の審判で決まり、法定相続人と同じである必要はありません。相続放棄した人でも継承でき、相続税もかかりません。

この記事の内容
  1. 祭祀財産とは(お墓・仏壇・位牌)
  2. 祭祀承継者は誰が決める?
  3. 相続放棄をしても祭祀財産は継げる
  4. 祭祀財産には相続税がかからない
  5. 継ぎたい人が複数/誰もいない場合の調整
  6. 承継後に必要な手続き
  7. よくある質問

親が亡くなったあと、預貯金や不動産の相続と並んで必ず話題になるのが「お墓や仏壇は誰が継ぐのか」という問題です。実はお墓や仏壇は、預貯金などの通常の相続財産とは別のルールで引き継がれます。この記事では、祭祀財産の基本的な考え方と、承継者の決め方、承継後に必要な手続きまでを整理します。

1. 祭祀財産とは(お墓・仏壇・位牌)

「祭祀財産」とは、先祖や故人を祀るための財産のことで、民法では次のようなものが代表例とされています。

これらは「所有権」という意味では財産ですが、お金に換えて分けるものではなく、一人の承継者が引き継いで祀り続けるものという性質があります。そのため、法律上も預貯金や不動産とは別枠の扱いになっています。

2. 祭祀承継者は誰が決める?法定相続人と違う理由

祭祀財産を継ぐ人(祭祀承継者)は、次の順序で決まります。

  1. 被相続人の指定 — 遺言や生前の意思表示で「誰に継いでほしいか」を指定していた場合は、それが優先されます。
  2. 慣習 — 指定がない場合は、その地域や家の慣習に従います。多くの場合、長男や同居していた家族が継ぐ慣習が残っていますが、法律上そう決まっているわけではありません。
  3. 家庭裁判所の審判 — 慣習も不明、または話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所が事情を考慮して承継者を決めます。

ここで重要なのは、祭祀承継者は法定相続人である必要がないという点です。相続人以外の親族が継ぐことも、相続人の中の一人だけが継ぐことも可能です。したがって、遺産分割の話し合いとお墓・仏壇を誰が継ぐかの話し合いは、本来は別のテーマとして進める必要があります。

3. 相続放棄をしても祭祀財産は継げる

借金などの負債が多く相続放棄を選んだ場合、通常の相続財産はすべて受け取れなくなります。しかし、祭祀財産はその対象外です。

相続放棄をしても、祭祀承継者になることは可能です。「負債は引き継ぎたくないが、お墓は自分が守りたい」というケースでも、相続放棄と祭祀承継は両立します。

逆に、相続放棄をしていない相続人であっても、慣習や話し合いの結果、自分以外の人が祭祀承継者になることも問題ありません。

4. 祭祀財産には相続税がかからない

墓地・墓石・仏壇・仏具・位牌などの祭祀財産は、相続税法上の非課税財産とされています。つまり、これらを承継しても相続税の課税対象には含まれません。

ただし、注意点もあります。

5. 継ぎたい人が複数/誰もいない場合の調整

祭祀承継は、相続財産のように分けられないため、「複数人が継ぎたい」「誰も継ぎたくない」という状況が起きやすい分野です。

祭祀承継は感情的な対立につながりやすいテーマです。遺産の話し合いと同時に進めず、まずは「誰が、どんな思いでお墓を守りたいか」を聞き合うところから始めると、話が整理しやすくなります。

6. 承継後に必要な手続き(墓地の名義変更・管理料)

祭祀承継者が決まったら、実務上は次のような手続きが必要になります。

手続き内容窓口
墓地使用権の名義変更墓地・霊園の管理者に申請し、使用者名義を承継者に変更寺院・霊園・市区町村の墓地管理事務所など
管理料の支払い引き継ぎ年間管理料・永代使用料などの支払者を承継者に変更墓地・霊園の管理者
仏壇・位牌の引き継ぎ法要の施主や菩提寺との付き合いを継続菩提寺・葬儀社など

名義変更に法律上の期限はありませんが、管理料の未払いが続くと管理者から契約解除の案を提示されることもあるため、承継者が決まったら早めに連絡しておくと安心です。お墓・納骨の手続きも合わせて確認しておくと、法要や改葬を検討する際にスムーズです。

「誰がお墓を継ぐか」も、記録しておける

ReliefNote は、お墓・仏壇の所在地や菩提寺の連絡先、承継についての希望などを家族と共有できる記録として残せます。もしものとき、家族が迷わず動けるように備えておきませんか。無料。

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7. よくある質問

お墓や仏壇を継ぐ人は誰が決めるのですか?相続人と同じですか?

祭祀財産を継ぐ「祭祀承継者」は、遺言などの指定がなければ地域や家族の慣習で決まり、話し合いがまとまらない場合は家庭裁判所が審判で決めます。法定相続人である必要はなく、相続人以外の人や、相続人の中の一人だけが継ぐことも可能です。

相続放棄をした人は、お墓や仏壇を継げませんか?

継げます。祭祀財産は通常の相続財産とは別枠で扱われるため、借金などを理由に相続放棄をした人でも祭祀承継者になることができます。

お墓や仏壇を継ぐと、相続税がかかりますか?

かかりません。墓地・墓石・仏壇・位牌などの祭祀財産は相続税の非課税財産とされているため、承継しても相続税の計算には含めません。

兄弟姉妹の誰も墓を継ぎたがらない場合はどうすればいいですか?

まずは家族で話し合い、まとまらない場合は家庭裁判所に調停・審判を申し立てて承継者を決める方法があります。将来的に墓地の管理が難しい場合は、墓地の管理者に永代供養や墓じまいについて相談することもできます。

リリーフノート
北林 歩 ReliefNote 創業者。家族の重要情報マネージャ「ReliefNote」を開発。