相続

相続放棄のやり方と注意点|3か月を過ぎたらどうなる?

2026年7月13日監修:ReliefNote 創業者 北林 歩読了 約7分
結論

相続放棄は、原則「相続の開始を知った時から3か月以内」に、故人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ「申述」して行います。認められると、はじめから相続人でなかった扱いになり、借金などの負債も相続しません。一度認められると撤回できません

この記事の内容
  1. そもそも相続放棄とは
  2. 手続きの流れと必要書類
  3. 「3か月」の期限の数え方
  4. 3か月を過ぎたらどうなる?
  5. 相続放棄の注意点
  6. 判断に迷ったら
  7. よくある質問

親が亡くなり、借金や保証債務があるかもしれない——そんなとき、家族を負債から守る手段が「相続放棄」です。ただし期限が短く、やり方や順番を誤ると、放棄できなくなることもあります。この記事では、手続きの流れと注意点を落ち着いて確認できるように整理します。

1. そもそも相続放棄とは

相続放棄とは、故人(被相続人)の財産を、プラスの財産も負債も一切引き継がないと家庭裁判所に申し立てることです。認められると、その人ははじめから相続人でなかったものとして扱われます。借金や連帯保証などの負債が、預貯金や不動産などのプラスの財産を上回りそうなときに選ばれます。

相続への向き合い方には、大きく3つの選択肢があります。

2. 手続きの流れと必要書類

相続放棄は、故人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ「申述」して行います。おおまかな流れは次のとおりです。

相続手続き全体の期限を先に見渡しておきたい方は、相続手続きの期限一覧もあわせてご確認ください。

3.「3か月」の期限=熟慮期間の数え方

相続放棄には「熟慮期間」と呼ばれる期限があります。「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月以内です。ここで大切なのは、起算点が「亡くなった日」そのものではなく、「相続の開始(=自分が相続人になったこと)を知った時」だという点です。

手続き期限の目安主な窓口
相続放棄・限定承認3か月以内家庭裁判所
準確定申告4か月以内税務署
相続税の申告・納付10か月以内税務署

4. 3か月を過ぎたらどうなる?

原則として、熟慮期間の3か月を過ぎると相続放棄はできず、単純承認したものとして扱われます。ただし、実務では例外が認められることがあります。

たとえば、「財産も負債も無いと信じていて、後になって借金の存在を知った」ようなケースで、そう信じたことに相当の理由があると判断される場合です。このとき、3か月を過ぎた事情を説明する上申書などを添えて申述し、認められることがあります。

3か月を過ぎたケースが認められるかどうかは、個別の事情によって判断が分かれます。「もう無理」と諦めず、また「必ず通る」とも思い込まず、できるだけ早く家庭裁判所や司法書士・弁護士に相談してください。時間が経つほど選択肢は狭まります。

5. 相続放棄の注意点

最大の落とし穴は、放棄する前に故人の財産に手をつけてしまうことです。「とりあえず口座からお金を下ろす」「遺品を売る・処分する」といった行為が、放棄の権利を失わせる恐れがあります。放棄を検討している間は、故人の財産に極力手をつけないようにしてください。

6. 判断に迷ったら

相続放棄をすべきかどうかは、負債と財産の全体像が分からないと判断できません。まずは、預貯金・不動産・保険・借入・保証債務・未払いの税金などを、できる範囲で洗い出すことが先決です。

次のような場合は、期限に余裕がなくなる前に司法書士や弁護士へ相談する目安といえます。

亡くなった直後に何から始めるか全体を知りたい方は、親が亡くなったら、まず何をする?もあわせてご覧ください。

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よくある質問

相続放棄はどこで手続きする?

故人(被相続人)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で行います。相続放棄申述書に戸籍などの書類を添えて提出します。市区町村役場や税務署ではなく、家庭裁判所への申述である点に注意してください。

3か月を過ぎたら絶対にできない?

原則として3か月(熟慮期間)を過ぎるとできません。ただし、借金の存在を後から知ったなど相当の理由がある場合は、事情を説明する上申書を添えて認められることがあります。断定はできないため、家庭裁判所や司法書士・弁護士に早めに相談してください。

一度した相続放棄は撤回できる?

受理された相続放棄は、原則として撤回できません。あとで財産が見つかっても取り消せないため、負債と財産の全体像をできるだけ確認したうえで判断することが大切です。

相続放棄すると他の家族はどうなる?

放棄した人ははじめから相続人でなかった扱いになるため、相続権が次の順位へ移ります。子が全員放棄すると親、さらに兄弟姉妹へと移ることがあります。負債も一緒に移るため、次に相続人となる方にも早めに知らせておくと安心です。

リリーフノート
北林 歩 ReliefNote 創業者。家族の重要情報マネージャ「ReliefNote」を開発。