生前の備え

自筆証書遺言書保管制度とは?手続き・費用・注意点を解説

2026年8月11日監修:ReliefNote 創業者 北林 歩読了 約8分
結論

自筆証書遺言書保管制度は、法務局が自筆証書遺言の原本を保管し、様式チェックも行う制度です。相続開始後の家庭裁判所での検認が不要になり、紛失・改ざんのリスクも減らせます。申請手数料は1件3,900円です。

この記事の内容
  1. 制度の概要と利用するメリット
  2. 保管申請の流れ・必要書類・手数料
  3. 様式面の注意点(指定用紙・余白ルール)
  4. 相続開始後に相続人が行うこと
  5. 自宅保管の自筆証書遺言との違いと選び方
  6. よくある質問

「遺言書を作ったけれど、どこに保管すればいいか分からない」「自宅で保管していて、紛失や改ざんが心配」——そんな悩みに応えるのが、法務局による自筆証書遺言書保管制度です。2020年7月から始まったこの制度は、公正証書遺言ほど費用や手間をかけずに、遺言書の保管と一定の様式チェックを国の機関に任せられる仕組みです。この記事では、制度の仕組みから申請の流れ、相続開始後に家族が行う手続きまでを整理します。

1. 制度の概要と利用するメリット

自筆証書遺言書保管制度は、遺言者本人が作成した自筆証書遺言を、法務局(遺言書保管所)が原本として保管する制度です。主なメリットは次のとおりです。

一方で、遺言の内容(誰に何を相続させるかなど)について法務局が助言することはありません。内容面で不安がある場合は、公正証書遺言の利用や専門家への相談も選択肢になります。

2. 保管申請の流れ・必要書類・手数料

保管の申請は、次のような流れで進みます。

主な必要書類

手数料の目安(法務省令で定められた金額。変更される場合があるため、申請前に法務局の最新案内を確認してください)

手続き手数料の目安
遺言書の保管申請1件につき 3,900円
遺言書の閲覧請求(モニター)1回につき 1,400円
遺言書の閲覧請求(原本)1回につき 1,700円
遺言書情報証明書の交付請求1通につき 1,400円
遺言書保管事実証明書の交付請求1通につき 800円
保管の申請の撤回・住所等の変更届無料

3. 様式面の注意点(指定用紙・余白ルール)

この制度を利用するには、遺言書が決められた様式ルールを満たしている必要があります。ルールを満たさない場合、法務局で預かってもらえず、申請そのものができません。主な注意点は次のとおりです。

様式ルールは細かく、自己流で作成すると窓口で預かってもらえないことがあります。事前に法務局のサイトで最新の様式見本を確認するか、下書き段階で相談窓口を利用すると安心です。

4. 相続開始後に相続人が行うこと

遺言者が亡くなったあと、相続人や受遺者などが行う主な手続きは次の2つです。

なお、相続人の一人が証明書の交付請求や閲覧をすると、法務局から他の相続人・受遺者にも遺言書が保管されている旨が通知されます。これにより、一部の相続人だけが遺言の存在を知り、他の相続人が知らされないまま手続きが進む、といった事態を避けやすくなります。相続全体の流れは親が亡くなったら、まず何をするかもあわせて確認しておくと見通しが立てやすくなります。

5. 自宅保管の自筆証書遺言との違いと選び方

自筆証書遺言そのものは、この制度を使わなくても、自宅などで保管して有効な遺言書として扱われます。両者の主な違いを整理します。

「費用を抑えつつ、検認の手間や紛失リスクを減らしたい」という場合には、この保管制度が有力な選択肢になります。一方、内容の有効性についてより高い安心感を求める場合は、公証人が関与する公正証書遺言も検討に値します。どちらを選ぶにせよ、遺言書だけでなく、財産や連絡先などの情報を家族が把握できる状態にしておくことが、いざという時の負担を減らします。生前の情報整理については生前整理の始め方も参考にしてください。

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6. よくある質問

自筆証書遺言書保管制度とはどんな制度ですか?

自筆証書遺言書保管制度は、法務局が自筆証書遺言の原本を保管し、様式チェックも行う制度です。相続開始後の家庭裁判所での検認が不要になり、紛失・改ざんのリスクも減らせます。申請手数料は1件3,900円です。

この制度を使えば、家庭裁判所の検認は不要になりますか?

はい。法務局に保管された自筆証書遺言は、相続開始後の家庭裁判所での検認手続きが不要です。自宅などで保管していた自筆証書遺言は、原則として検認が必要になります。

相続が始まったら、家族はどんな手続きをすればいいですか?

最寄りの遺言書保管所で「遺言書保管事実証明書」の交付を請求し、遺言書の有無を確認します。保管されていれば「遺言書情報証明書」の交付請求、または遺言書の閲覧請求を行います。

申請するとき、用紙や余白に決まりはありますか?

あります。A4サイズで、上5mm・下10mm・左20mm・右5mm以上の余白を確保し、片面のみに記載する必要があります。指定の様式ルールを満たさない場合、法務局で預かってもらえません。

リリーフノート
北林 歩 ReliefNote 創業者。家族の重要情報マネージャ「ReliefNote」を開発。