手続き・お金

仕事中や通勤中の事故で親が死亡したら?労災の遺族補償給付と葬祭料の申請方法

2026年9月4日監修:ReliefNote 創業者 北林 歩読了 約9分
結論

仕事中・通勤中の事故で親が亡くなった場合、労働基準監督署に遺族(補償)給付と葬祭料(葬祭給付)を請求します。受給資格者には優先順位があり、様式12号・16号などに事業主の証明を添えて提出します。厚生年金の遺族年金とは併給調整(減額)があります。

この記事の内容
  1. 労災保険の遺族補償給付とは
  2. 遺族(補償)年金・一時金を受け取れる人は誰か
  3. 労働基準監督署への請求手続きと必要書類
  4. 葬祭料(葬祭給付)の請求方法と金額の考え方
  5. 厚生年金の遺族年金との併給調整
  6. 請求期限(時効)と通勤災害との違い
  7. よくある質問

親が仕事中や通勤中の事故で亡くなった場合、健康保険からの給付とは別に、労災保険から遺族(補償)給付と葬祭料を受け取れる可能性があります。会社が加入する労災保険から支給されるもので、勤務先の協力が必要な場面も多いため、早めに流れを把握しておくと手続きがスムーズです。まずは親が亡くなったときのやることリストも参考にしながら、労災特有の手続きを確認していきましょう。

1. 労災保険の遺族補償給付とは

労災保険は、仕事が原因のケガ・病気・死亡(業務災害)と、通勤中の事故によるケガ・病気・死亡(通勤災害)を補償する制度です。親が業務災害で亡くなった場合は「遺族補償年金」「遺族補償一時金」「葬祭」、通勤災害の場合は「遺族年金」「遺族一時金」「葬祭給付」という名称になりますが、支給内容や請求方法はほぼ同じです。

労災保険から給付を受けられるのは、故人の勤務先が労災保険に加入し、死亡が業務または通勤に起因すると認定された場合です。認定(労災認定)には調査が必要なため、まず勤務先や労働基準監督署に相談することから始めます。

2. 遺族(補償)年金・一時金を受け取れる人は誰か

遺族(補償)年金を受け取れるのは、故人の死亡当時、その収入によって生計を維持していた遺族のうち、法令で定められた優先順位が最も高い方(受給権者)です。一般的な優先順位の考え方は次のとおりです。

妻以外の遺族については、死亡時に一定の年齢に達しているか、一定の障害の状態にあることなどが条件になる場合があります。年齢・障害の具体的な要件は個々の事情で判断が異なるため、労働基準監督署での確認が必要です。受給権者が受給資格を失った場合、次順位の遺族に受給権が移る「転給」という仕組みもあります。

受給資格者が誰もいない場合は、遺族(補償)一時金が、法令で定められた範囲の遺族に支給されます。

3. 労働基準監督署への請求手続きと必要書類

遺族(補償)給付は、故人の勤務先を管轄する労働基準監督署に請求書を提出して申請します。主な請求様式は次のとおりです。

請求書には、故人の勤務状況や死亡の状況について事業主(会社)の証明を受ける欄があります。あわせて、次のような書類の添付が一般的に求められます。

必要書類は業務災害か通勤災害か、家族構成によっても変わるため、提出前に労働基準監督署へ確認すると手戻りが少なくなります。会社の労務担当者が手続きに詳しい場合も多いので、遠慮せず相談しましょう。

4. 葬祭料(葬祭給付)の請求方法と金額の考え方

葬祭料(葬祭給付)は、実際に葬儀を執り行った方(喪主など)が請求できます。業務災害の場合は様式第16号、通勤災害の場合は様式第16号の10を、労働基準監督署に提出します。

支給額は、故人の賃金水準をもとにした給付基礎日額を用いた計算式による金額と、給付基礎日額の一定日数分に相当する金額とを比較し、高い方が支給される仕組みになっています。具体的な金額は故人の賃金額によって個人ごとに異なるため、労働基準監督署での計算・確認が必要です。

葬祭料は健康保険の埋葬料・葬祭費とは別の制度です。労災による死亡の場合、原則として労災保険の葬祭料(葬祭給付)が優先され、健康保険の埋葬料等とは重複して受給できません。どちらの制度が対象になるか、加入先で確認しましょう。

5. 厚生年金の遺族年金との併給調整

故人が厚生年金に加入していた場合、遺族には厚生年金の遺族厚生年金も別途支給される可能性があります。労災の遺族(補償)年金と厚生年金の遺族年金は、要件を満たせばどちらも受け取ることができますが、同一の死亡を理由とする給付が重なるため、労災側の遺族(補償)年金が一定の調整率で減額される仕組みになっています。

調整の考え方や具体的な減額の程度は、受給する年金の組み合わせや個々の状況によって異なります。正確な金額は労働基準監督署と年金事務所の双方に確認する必要があります。厚生年金側の手続きについては遺族年金の請求方法もあわせてご覧ください。

6. 請求期限(時効)と通勤災害との違い

労災認定には調査に一定の時間がかかることがあります。時効までに余裕を持って、まずは勤務先と労働基準監督署に相談し、早めに請求書一式をそろえておくと安心です。

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7. よくある質問

労災で親が亡くなった場合の遺族補償年金・葬祭料はどう申請する?

故人の勤務先を管轄する労働基準監督署に、遺族(補償)給付は様式12号または16号の8、葬祭料は様式16号などを提出して請求します。事業主の証明と死亡・続柄を示す書類が必要です。

遺族(補償)年金は誰が受け取れますか?

死亡当時、故人の収入で生計を維持していた配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹のうち、法令で定められた優先順位が最も高い方が受給権者になります。年齢や障害の有無によって条件が加わる場合があります。

葬祭料はいくらもらえますか?

葬祭料(葬祭給付)は、給付基礎日額をもとにした計算式による金額と、給付基礎日額の一定日数分の金額を比較し、高い方が支給される仕組みです。具体的な金額は労働基準監督署での計算によります。

厚生年金の遺族年金と労災の遺族補償年金は両方もらえますか?

両方とも要件を満たせば受け取れますが、同一の事由による給付が重なる場合は労災側の遺族補償年金が調整(減額)される仕組みになっています。実際の調整率は状況により異なるため、労働基準監督署や年金事務所での確認が必要です。

リリーフノート
北林 歩 ReliefNote 創業者。家族の重要情報マネージャ「ReliefNote」を開発。