相続

死因贈与とは?遺言との違いと注意点をわかりやすく解説

2026年10月10日監修:ReliefNote 創業者 北林 歩読了 約7分
結論

死因贈与とは、「贈与者が死亡したら財産を渡す」と贈与者と受贈者が生前に合意する契約です。遺言は本人だけで作れる単独行為であるのに対し、死因贈与は相手の合意が必要な点が大きな違いです。

この記事の内容
  1. 死因贈与とは何か
  2. 遺言との違い(契約か単独行為か)
  3. 撤回できるか?負担付き死因贈与の注意点
  4. 不動産を死因贈与するなら仮登記を
  5. 税務上の扱い(贈与税ではなく相続税)
  6. トラブルを防ぐための備え方
  7. よくある質問

「お世話になった人に、自分が死んだら財産を渡したい」と考えたとき、方法として候補に挙がるのが遺言と死因贈与です。どちらも「死亡によって財産が渡る」という結果は同じですが、成立の仕方や撤回のしやすさ、手続きの進め方には違いがあります。この記事では、死因贈与の基本と、遺言との違い、実務上の注意点を整理します。

1. 死因贈与とは何か

死因贈与とは、「贈与者が死亡したときに効力が生じる」ことを条件とした贈与契約です。民法上は贈与の一種ですが、死亡によって発効する点で遺言と似た機能を持ちます。

似た財産の渡し方として生前贈与がありますが、生前贈与は贈与者が生きている間に財産が移転する点が異なります。死因贈与はあくまで「死亡」をきっかけに効力が生じる契約です。

2. 遺言との違い(契約か単独行為か)

死因贈与と遺言の最も大きな違いは、「契約」か「単独行為」かという成立の仕方です。

この違いから、死因贈与は受贈者が事前に内容を把握しているケースが多く、死亡後に「初めて知って驚く」という事態が起きにくいという特徴があります。一方で、遺言のように一人で完結して作り直せるわけではないため、内容を変更するには受贈者との関係性も影響します。

遺言そのものの基本的な書き方や注意点は、遺言書の検認手続きの記事でも扱っています。

3. 撤回できるか?負担付き死因贈与の注意点

遺言は、原則としていつでも自由に撤回・変更できます。死因贈与についても、裁判例では遺言の撤回に関する規定が準用されるとされ、贈与者が一方的に撤回できる場合が多いとされています。

ただし、負担付き死因贈与(「老後の世話をしてくれたら、死んだときに不動産を渡す」のように、受贈者に何らかの義務を課す死因贈与)で、受贈者がすでにその負担を履行している、あるいは履行に着手している場合には、贈与者による一方的な撤回が制限される場合があります。

4. 不動産を死因贈与するなら仮登記を

死因贈与で不動産を渡す場合、死亡後にスムーズに名義変更(本登記)ができるよう、生前に「始期付所有権移転仮登記」をしておく方法があります。

相続に伴う不動産の名義変更そのものについては、相続登記の義務化の記事で期限や罰則を解説しています。死因贈与の場合も、死亡後の登記の進め方を事前に把握しておくと安心です。

5. 税務上の扱い(贈与税ではなく相続税)

「贈与」という名前がついていますが、死因贈与は贈与税ではなく相続税の対象として扱われます。これは、財産が実際に移転するのが贈与者の死亡後であるためです。

税額の計算や控除の適用は家族構成・財産状況によって大きく変わります。具体的な金額の見積もりは、税理士など専門家への確認をおすすめします。

6. トラブルを防ぐための備え方

死因贈与は契約である分、内容や解釈をめぐって死亡後に争いが起きやすい面もあります。トラブルを防ぐために、次のような備えが有効です。

こうした契約の存在や保管場所、連絡すべき専門家の情報は、家族が「どこにあるか分からない」ために活かせないことがよくあります。生前に情報を整理しておく方法は、エンディングノートの書き方の記事でも紹介しています。

契約や財産の情報、家族はすぐに見つけられますか?

ReliefNote は、死因贈与契約・保険・口座・連絡先など「どこに何があるか」を1か所に記録し、必要なときに家族がすぐ確認できるようにします。無料で始められます。

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7. よくある質問

死因贈与とは何ですか?遺言とどう違いますか?

死因贈与は「贈与者が死亡したときに財産を渡す」と贈与者と受贈者が合意する契約です。遺言は本人だけで作れる単独行為である点が大きな違いで、死因贈与は相手の合意が必要です。

死因贈与は後から撤回できますか?

遺言と同じように贈与者が自由に撤回できる場合が多いですが、受贈者が何らかの義務(負担)を負う「負担付き死因贈与」で、すでに負担を履行している場合などは、一方的な撤回が制限されることがあります。

死因贈与で不動産を渡す場合、生前に何をしておくべきですか?

生前に「始期付所有権移転仮登記」をしておくと、死亡後の本登記をスムーズに進めやすくなります。あわせて契約書を公正証書にし、執行者を指定しておくと、死亡後の手続きが単独で進められやすくなります。

死因贈与を受けたら贈与税がかかりますか?

死因贈与は税務上、贈与税ではなく相続税の対象として扱われます。受贈者が法定相続人以外の場合は、相続税の計算や控除の適用で通常の相続と異なる扱いになることがあります。

リリーフノート
北林 歩 ReliefNote 創業者。家族の重要情報マネージャ「ReliefNote」を開発。