相続・不動産

農地を相続したら?10か月以内の農業委員会への届出と納税猶予の基礎知識

2026年8月28日監修:ReliefNote 創業者 北林 歩読了 約7分
結論

農地を相続したら、取得を知った日から10か月以内に、農業委員会への届出が必要です。相続登記(名義変更)とは別の手続きなので、両方を忘れずに行いましょう。届出をしないと10万円以下の過料の対象になることがあります。

この記事の内容
  1. 農地の相続で最初に押さえること
  2. 農業委員会への届出とは
  3. 相続登記との違い・両方が必要な理由
  4. 自分で耕作しない場合の制限(貸出・売却・転用)
  5. 相続税の納税猶予制度
  6. よくある質問

親や祖父母が田畑を持っていた場合、相続の場面で「農地」という特殊な財産に直面することがあります。農地は宅地や現金と違い、農地法という別のルールが関わってくるため、通常の相続手続きに加えて押さえておくべき点があります。この記事では、農地を相続したときに必要な届出と、知っておきたい制度を整理します。

1. 農地の相続で最初に押さえること

農地を相続する場合、次の2つの手続きが必要になります。どちらか一方では足りない点に注意してください。

「登記をしたから届出は不要」「届出をしたから登記は不要」ではありません。制度も窓口も別のため、両方が必要だと覚えておきましょう。相続登記全般の流れは相続登記の義務化についての記事もあわせてご覧ください。

2. 農業委員会への届出とは

農地の権利移動には、本来なら農業委員会の許可が必要です(農地法3条)。ただし相続による取得の場合は許可は不要とされている一方、後から実態を把握できるようにするため、届出が義務づけられています。

届出は、複数の相続人がいる場合でも代表者がまとめて行えることが多いですが、詳細は自治体の農業委員会に確認してください。

3. 相続登記との違い・両方が必要な理由

相続登記と農業委員会への届出は、目的も管轄も異なります。

手続き目的窓口期限の目安
相続登記不動産の名義を法的に変更する法務局3年以内(義務化)
農業委員会への届出農地の権利移動の実態を行政が把握する市区町村の農業委員会10か月以内が目安

登記が済んでいても届出をしていない、あるいはその逆というケースは少なくありません。農地を相続した際は、この2つをセットで確認する習慣をつけておくと安心です。相続財産全体の期限については相続の期限一覧の記事も参考にしてください。

4. 自分で耕作しない場合の制限(貸出・売却・転用)

相続した農地を、相続人自身が耕作しないケースも多くあります。その場合、次のような点で農地法上の制限がある点に注意が必要です。

「使う予定がないから」と自己判断で貸したり造成したりすると、後から農地法違反を指摘される可能性があります。活用方法を決める前に、農業委員会や自治体の農地担当窓口へ相談することをおすすめします。

5. 相続税の納税猶予制度

農地は評価額が大きくなる場合があり、相続税の負担が問題になることがあります。これに対応するため、一定の要件を満たす農地については、相続税の納税を猶予する制度が設けられている場合があります。

この制度は要件や手続きがやや複雑なため、該当しそうな場合は早めに税務署や税理士に相談するのが安心です。相続税の基本的な仕組みは相続税の基礎控除の記事で解説しています。

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6. よくある質問

農地を相続したときに必要な手続きは何ですか?

農地の取得を知った日から10か月以内に、その農地がある市区町村の農業委員会へ届出をします。あわせて法務局での相続登記(名義変更)も必要で、この2つは別の手続きなので両方を忘れずに行います。

農業委員会への届出をしないとどうなりますか?

届出をしなかったり、虚偽の届出をしたりすると、10万円以下の過料の対象になる場合があります。届出には費用がかからないため、期限内に済ませておくと安心です。

相続した農地をすぐに人に貸したり売ったりできますか?

農地を自分で耕作せずに貸し出したり売却したりする場合、農地法上の許可や届出が別途必要になることがあります。転用して宅地などにする場合も同様に制限があるため、事前に農業委員会へ相談することをおすすめします。

農地の相続税には優遇制度がありますか?

一定の要件を満たす農地については、相続税の納税を猶予する制度が用意されている場合があります。適用要件や手続きは個々の状況によって異なるため、税務署や税理士に確認することをおすすめします。

リリーフノート
北林 歩 ReliefNote 創業者。家族の重要情報マネージャ「ReliefNote」を開発。