相続・税金

相続税が払えないときの延納・物納とは?条件と申請の流れ

2026年8月22日監修:ReliefNote 創業者 北林 歩読了 約9分
結論

相続税が一括で払えないときは、まず年賦で分割払いする「延納」を検討し、延納でも金銭納付が難しい部分があれば不動産などで納める「物納」を検討します。どちらも申告期限までの申請が必要です。

この記事の内容
  1. 延納とは?分割払いの要件と利子税
  2. 物納とは?対象財産と優先順位
  3. 延納から物納へ変更できるケース・できないケース
  4. 申請に必要な書類と提出期限
  5. 延納・物納が認められない場合の代替策
  6. よくある質問

相続税の申告・納付期限は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です。しかし相続財産の多くが不動産で現金が少ない場合など、期限までに金銭で一括納付するのが難しいケースは珍しくありません。国税では、こうした場合に備えて延納物納という2つの救済制度が用意されています。この記事では、それぞれの要件と申請の流れを整理します。相続税の基礎控除の考え方は相続税の基礎控除の記事で解説していますので、あわせてご確認ください。

1. 延納とは?分割払いの要件と利子税

延納は、相続税を金銭で一括納付することが困難な事由がある場合に、税務署の許可を受けて年賦で分割納付できる制度です。

延納が認められても、期間中は利子税がかかります。利率は相続財産に占める不動産などの割合や、その年の基準割合によって変わるため一律ではありません。実際の税額・利率は税務署または国税庁の最新の案内でご確認ください。

2. 物納とは?対象財産と優先順位

物納は、金銭一括納付だけでなく、延納によっても金銭で納付することが困難な事由がある場合に、その困難な金額を限度として、相続した財産そのものを納付にあてる制度です。

物納にあてられる財産には優先順位があり、一般に次のような考え方が取られています(財産の構成や状況により個別に判断されます)。

また、担保権が設定されている不動産や、権利関係に争いがある財産など、物納に適さないと判断される財産(管理処分不適格財産)は物納に使えません。相続した不動産の名義変更については相続登記の義務化に関する記事もあわせてご覧ください。

3. 延納から物納へ変更できるケース・できないケース

延納・物納いずれも、一度許可を受けた後の条件変更には制約があります。見通しが立たないまま安易に選ぶのではなく、財産・負債の全体像を早い段階で把握しておくことが重要です。相続手続き全体の期限は相続の期限一覧の記事で整理しています。

4. 申請に必要な書類と提出期限

延納・物納のどちらも、相続税の申告期限(相続開始を知った日の翌日から10か月以内)までに申請する必要があります。主な提出書類は次のとおりです。

提出後、税務署による審査・現地確認などが行われ、許可までに一定の期間を要することがあります。書類に不備があると審査が長引くため、早めに準備を始めることが望ましいです。

5. 延納・物納が認められない場合の代替策

延納・物納の要件を満たさない、あるいは審査で認められなかった場合でも、次のような対応が考えられます。

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ReliefNote は、相続財産や状況にあわせて必要な手続きと期限を整理し、順番に案内します。延納・物納を検討する前に、まずは財産の全体像を把握することから始められます。無料。

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6. よくある質問

相続税が払えない場合、延納と物納どちらを選べばいいですか?

まず金銭一括納付が難しいかを確認し、次に年賦で分割する延納が可能かを検討します。延納でも金銭での納付が難しい部分がある場合に、初めて不動産などによる物納を検討する順序になります。

延納を選ぶと利子税はどのくらいかかりますか?

延納期間中は利子税がかかります。利率は相続財産に占める不動産などの割合や、その年の特例基準割合によって変わるため、一律ではありません。税務署や国税庁の最新の案内で確認する必要があります。

物納にはどんな財産でも使えますか?

使えません。物納できる財産には優先順位があり、担保が付いている不動産や権利関係が整理されていない財産など、物納に適さないものは認められません。

延納から物納に変更することはできますか?

延納の許可後に資力の状況が変わり分割払いの継続が難しくなった場合、一定期間内であれば物納へ切り替える「特定物納」という制度があります。ただし物納から延納への変更は認められていません。

リリーフノート
北林 歩 ReliefNote 創業者。家族の重要情報マネージャ「ReliefNote」を開発。