特別寄与料とは?相続人以外の親族が介護の貢献を金銭請求できる制度
特別寄与料とは、相続人ではない親族(子の配偶者など)が無償で被相続人の療養看護等に貢献した場合に、相続人に対して金銭を請求できる制度です。相続人のみが対象の「寄与分」とは請求できる人が異なり、請求には6か月・1年の期限があります。
長年、義理の親の介護を無償で担ってきたのに、相続では何も受け取れない——。こうした不公平を是正するために設けられたのが「特別寄与料」の制度です。この記事では、対象となる人、請求の要件と流れ、注意すべき期限や税金の扱いまで整理します。
1. 特別寄与料とはどんな制度か
特別寄与料は、被相続人(亡くなった方)の親族のうち、相続人ではない人が、無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持・増加に特別の寄与をした場合に、相続人に対して金銭の支払いを請求できる制度です。
- 典型例:長男の妻が、長年にわたり義父母の介護を無償で担ってきたケース。
- 妻自身は相続人ではないため、従来は遺産分割において貢献を反映する手段がありませんでした。
- この不公平を是正するため、相続人以外の親族にも金銭請求の道が開かれています。
2. 「寄与分」との違い
似た制度に「寄与分」がありますが、対象となる人や請求方法が異なります。
- 寄与分:相続人のみが対象。遺産分割協議・調停の中で、他の相続人と合わせて取り分を調整します。
- 特別寄与料:相続人ではない親族が対象。遺産分割とは別に、相続人に対して直接金銭を請求します。
つまり、相続人であれば寄与分、相続人でない親族であれば特別寄与料、という住み分けになります。遺産分割の考え方は遺産分割協議書の書き方の記事もあわせてご参照ください。
3. 請求できる要件
特別寄与料が認められるには、いくつかの要件を満たす必要があります。
- 無償であること — 対価を受け取っていた場合は原則として対象外です。
- 療養看護・労務の提供であること — 介護や看病、家業の手伝いなどが典型例です。金銭的な援助や仕送りのみでは、原則として認められにくいとされています。
- 財産の維持・増加への特別の寄与であること — 単なる付き添いや通常の親族間の助け合いの範囲を超えた貢献が求められます。
介護をめぐる制度や申請の流れは介護保険の申請方法の記事、介護が始まったばかりの時期の心構えは入院・介護が始まったときにやることの記事も参考になります。
4. 請求の方法と流れ
特別寄与料の請求先は相続人です。次のような流れで進めます。
- 1. 相続人との話し合い — まずは当事者間で協議し、金額について合意を目指します。
- 2. まとまらない場合は家庭裁判所へ — 話し合いで解決しない場合、家庭裁判所に協議に代わる処分(調停・審判)を申し立てることができます。
- 3. 金額の決定 — 裁判所は、寄与の時期・方法・程度、相続財産の額などの事情を考慮して金額を定めます。
5. 請求できる期限
特別寄与料の請求には期限があり、これを過ぎると請求できなくなります。
| 起算点 | 期限 |
|---|---|
| 相続の開始及び相続人を知った時から | 6か月以内 |
| 相続開始の時から | 1年以内 |
どちらか早い方の期限を過ぎると請求できなくなるため、心当たりがある場合は早めに動き出すことが大切です。相続全体の期限については相続手続きの期限一覧の記事もあわせてご確認ください。
6. 受け取った場合の税金
特別寄与料を受け取った場合、その金額は相続税の課税対象となります。相続人以外の人が財産を取得する形になるため、状況によっては申告・納税の義務が発生します。具体的な税額や申告の要否は、金額や他の相続財産の状況によって異なりますので、税務署や税理士など専門家に確認することをおすすめします。
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ReliefNote を無料で使ってみる7. よくある質問
特別寄与料は、相続人ではない親族(子の配偶者など)が無償で被相続人の療養看護等に貢献した場合に金銭を請求できる制度です。寄与分は相続人のみが対象で遺産分割の中で調整されますが、特別寄与料は相続人以外の親族が相続人に対して直接請求する点が異なります。
無償で被相続人の療養看護や介護、事業の手伝いなどを行い、それによって被相続人の財産の維持・増加に貢献したことが要件です。金銭的な援助や仕送りのみでは原則として認められにくいとされています。
請求先は相続人です。まずは当事者間の話し合いで金額を決めるのが基本で、まとまらない場合は家庭裁判所に対して協議に代わる処分(調停・審判)を申し立てることができます。
はい。相続の開始及び相続人を知った時から6か月、または相続開始の時から1年を経過すると請求できなくなります。介護の記録や領収書などは早めに整理しておくことが大切です。
受け取った特別寄与料は相続税の課税対象となります。金額や状況によって申告・納税義務が生じる場合があるため、税務署や税理士など専門家に確認することをおすすめします。
