相続

相続人が海外在住の場合の相続手続き(サイン証明書・在留証明の取り方)

2026年10月25日監修:ReliefNote 創業者 北林 歩読了 約7分
結論

海外在住の相続人は印鑑証明書を取得できないため、現地の日本大使館・領事館で「サイン証明書(署名証明)」と「在留証明書」を取得し、印鑑証明書の代わりに使います。予約制で時間がかかるため、相続税の10か月の期限を見据えて早めに動くことが大切です。

この記事の内容
  1. なぜ海外在住者は印鑑証明書が取れないのか
  2. サイン証明書(署名証明)の取得方法
  3. 在留証明書の取得方法
  4. 遺産分割協議書への署名はどうする?
  5. 期限を見据えた早期準備
  6. 委任状で代表相続人にまとめる方法
  7. よくある質問

相続人の中に海外で暮らす家族がいると、国内の相続手続きで想定していない壁にぶつかることがあります。その代表が「印鑑証明書が取れない」という問題です。この記事では、サイン証明書・在留証明書の取得方法と、期限内に進めるための実務的な流れを整理します。

1. なぜ海外在住者は印鑑証明書が取れないのか

印鑑証明書は、日本国内の市区町村に住民登録があることを前提に発行されます。海外に生活の本拠を移して日本の住民票を抜いている場合、印鑑登録そのものができないため、印鑑証明書も発行されません。

2. サイン証明書(署名証明)の取得方法

印鑑証明書に代わる書類が、日本大使館・総領事館が発行するサイン証明書(署名証明)です。本人の署名が間違いなく本人によるものであることを、領事が証明する書類です。

サイン証明書は「書類ごと」に取得するのが基本です。遺産分割協議書に加えて不動産登記や金融機関の書類でも必要になる場合は、まとめて申請できるか窓口で確認しておくと手間が減ります。

3. 在留証明書の取得方法

住民票の代わりとなるのが在留証明書です。現地での居住開始日や現在の住所を、大使館・領事館が証明します。

相続登記の必要書類については、相続登記の義務化についての記事でも触れていますので、あわせて確認してみてください。

4. 遺産分割協議書への署名はどうする?

日本国内の相続人は実印を押印しますが、海外在住者は代わりに次のような方法をとります。

遺産分割協議書そのものの作り方は、遺産分割協議書の書き方の記事で整理しています。

5. 期限を見据えた早期準備

相続には期限のある手続きがあります。海外とのやり取りは通常より時間がかかることを前提に、早めに動き出すことが重要です。

手続き期限の目安海外在住者が注意する点
相続放棄・限定承認3か月以内郵送でのやり取りに時間がかかるため早期判断が必要
準確定申告4か月以内必要書類の取り寄せに時間を要する場合がある
相続税の申告・納付10か月以内サイン証明書・在留証明書の取得に数週間かかることも
相続登記相続を知った日から3年以内2024年4月から義務化。怠ると10万円以下の過料の可能性
大使館・領事館は予約制で、希望日にすぐ訪問できないこともあります。相続の発生を知った時点で、早めに管轄館の予約状況を確認しておくと、後の手続きがスムーズになります。期限の全体像は相続の期限一覧の記事も参考にしてください。

6. 委任状で代表相続人にまとめる方法

海外とのやり取りを何度も繰り返すのは負担が大きいため、国内にいる代表相続人に窓口対応をまとめて委任する方法もよく使われます。

必要な手続きだけを、順番に

ReliefNote は、相続人の状況に応じて必要な手続きと期限を整理して案内します。海外在住の相続人がいる場合の準備チェックも、家族間で共有しながら進められます。無料。

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7. よくある質問

相続人が海外に住んでいて印鑑証明書が取れない場合、相続手続きはどうすればいい?

印鑑証明書の代わりに、現地の日本大使館・領事館で発行する「サイン証明書(署名証明)」を取得します。あわせて住所を証明する「在留証明書」も取得し、遺産分割協議書などの添付書類とします。

サイン証明書はどこで取得できる?

居住地を管轄する日本大使館・総領事館で取得できます。多くは予約制で、本人がパスポートを持参して領事の面前で署名する必要があります。管轄館が遠方の場合は郵送対応の可否も確認します。

遺産分割協議書に実印を押せないときはどうする?

実印の押印に代えて、領事の面前で署名(および拇印)した書類に、その署名が本人のものであることを証明するサイン証明書を合綴する方法が一般的です。金融機関や法務局ごとに様式の指定があるため事前確認が必要です。

手続きに時間がかかりそうなときはどうすればいい?

国内にいる代表相続人に手続きを任せる委任状を作成し、窓口対応を一本化すると進めやすくなります。領事館は予約制で日数がかかるため、相続税の申告期限(10か月)を見据えて早めに動き出すことが大切です。

リリーフノート
北林 歩 ReliefNote 創業者。家族の重要情報マネージャ「ReliefNote」を開発。